内容説明
★電子書籍版は番外編「人跡板橋霜」を収録していない。
重厚な史実とダイナミックな虚構。玄宗と楊貴妃以後の唐の時代は、日本人にはほとんど知られていないが、ぜひこの作品で知って愉しんでほしい。
――作家 田中芳樹
◎あらすじ
元和年間、唐は憲宗の時代。皇帝の重臣・裴度の姪である裴玄静は、七歳で初めて殺人事件を解決して以来、地元では「女名探偵」として知られていた。しかし地方官僚だった父の死後、実子に家督を継がせたい継母の策略で故郷を追われ、玄静は叔父を頼って長安に向かう。そこで玄静は叔父の親友である時の宰相・武元衡の暗殺事件に遭遇する。殺される直前、正体不明の相手から繰り返し脅迫を受けていた武大臣は彼女の探偵としての評判を見込んで、周りに気取られぬよう暗号の形で「王羲之の『蘭亭序』に隠された秘密を解き明かし、皇帝や自分たちの命を狙う黒幕の正体と目的を暴いてくれ」と託していた。
玄静は、長安に辿り着いた嵐の夜に出会い、共にある怪死事件に遭遇した医師・崔ミアオと共に王羲之とその一族に因縁ある土地を巡る旅に出ることになるが、実は崔はある人物が彼女を見張るため送り込んだ間者で――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
11
元婚約者に嫁ぎに行くと旅に出た裴玄静だったが付添人の行動に不信感を抱き、たまたま同道していた崔朗君に手伝ってもらって逃げる。しかし、泊った宿場が大火事になって二人は放火犯として捕らえられてしまい…。登場人物や人間関係は面白くて好きだけど、ミステリ部分が私には小難しくてついていけず半分寝ていた…。玄静と崔朗君が気になるから追いかけたい気持ちはあるけれど…。2023/09/27
さとうしん
10
上下巻合わせての感想。女探偵の裴玄静とミステリアスなイケメン崔淼が互いに騙し合いながら蘭亭序の謎に挑むという筋で、柳宗元、李賀に聶隠娘と、唐後半期、憲宗の時代のオールスター総出演のような雰囲気になっている。弱まる皇権に跋扈する藩鎮と、時代設定もそれなりにうまく生かせている。肝心のオチは「まあ」という感じなのだが、ダヴィンチコードよりは現実的な話になっている。2023/08/08
elf51@禅-NEKOMETAL
8
官吏の姪:主人公と彼女に絡む医師,放火に会い,ここは冒険小説みたいな。放火犯の疑いをかけられ法廷へとここは法廷小説のような。中国唐代の歴史事情がよくわからず,謎が何なのか?これも不明。王羲之の書いた『蘭亭序』の解明がされる。女性探偵と敵なのか味方なのか分からない謎の医師,設定は面白いのでそこそこ読めるが,バックの知識があればあるほどよく,中国の歴史小説を読んでいるような感じで当たらないとなかなか辛いかも。そして,まさかの続編へとなる未解決作。2024/11/16
BECHA☆
7
謎解きに出かけた先で襲われ、更に放火犯と疑わた玄静は、真実にたどり着けるのか。原文と読み下し文と訳文を揃えて提示してくださっているのだが絶壁登山気分であった😓。2023/09/30
ヒサ子。
4
裴玄静のキャラに惹かれてなかったら、最後まで読めなかったかもしれない。。。蘭亭序の謎の落とし所は、まぁそんなところかな。匕首の謎もそのうちわかるのかなとか謎を残しつつ、一区切りといったところかな。番外編の手紙の主がそのうち出てきそうな予感もするし、続き待つ。2024/03/28
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