内容説明
“みんな”でいたくない“みんな”のために
「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を
行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。
性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来――
バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、
すべての「普通」と「規範」を問い直す。
「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より)
「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
65
【「出過ぎた真似」と「踏み外す」は分けられず、その分けられなさが世界にとっての希望だ】「クィア」を説明し、「普通」と「規範」を問い直しながら当事者同士が対談した書。推し本。能町が「ものすごく語るのをためらうテーマ」と前置きしながらも、“TERF(トランス排除的なラディカルフェミニズム)”について思いを語ったことを高く評価。森山は言う。<クィアって単純に「みんな」のためのものじゃない、んですよね。「みんな」でない、「みんな」でいられない、「みんな」でいたくない、「みんな」のためのものなんだと思います>と。⇒2025/01/20
こばまり
40
さらなる理解に努めようと思う私がいれば、例えばトランス女性が格闘技の女性部門で勝者になることに依然として割り切れぬ思いを抱く私もいる。ポップな装丁とお二人の柔らかな口調にスラスラふむふむと読み終えてしまったが、疑問のとば口に立った感あり。再読必須。2025/08/28
katoyann
22
社会学者と作家による対談。セクマイに対して寛容である自分は正しいんだ、というマジョリティの態度には、マイノリティを一つ下に見る心理があり、その傲慢さへの無自覚な言動が抑圧である、とする。いちいち理解者であるというアピールをするのではなく、「慣れろ」と呼びかける。性の規範の背景にある権力関係も分かるので、面白かった。対談本だが、クィア理論の簡単な説明がちょくちょく入るので、平易とは言いにくいところもあった。「おちょくれ」部分については、80%ぐらいは納得。2026/03/04
阿部義彦
22
少し前にLGB/Tを知る為にちくま新書『LGBTを読みとく』を読みましたが、これはその著者である森山至貴さん(G)と能町みね子さん(T)との対談による、その当人達による、世間との距離感や何故そうなったか?を赤裸々に語り合って、性と身体をめぐる普通って何という事に対する疑問を突きつけるフリートークとなっており更に理解が深まります。みね子さんは私もファンで著書も愛読してたので偏見との戦い(と言うよりも要するに自分の様な人にも慣れて欲しいだけ)の事や『私の身体をどう思うべきかお前が決めるな』等理解が深まります。2023/08/01
くさてる
19
自分でも答えが出ていない、世間的にも答えが出たと思ったらひっくり返されたりあっという間に風向きが変わったり、でなかなか難しい、性とからだをめぐる問題に、真摯に取り組んでいる対話でした。断言を避け、慎重に、でも当事者としての言葉は誠実に。そんな印象を受けました。2023/11/04




