内容説明
ついに奥平藩藩主・宇佐美安綱による侵攻が本格化、椿山藩領・平湯庄に甚大な被害を与える。襲撃には仕官を餌に籠絡した山賊の助五郎一味を使ったため、この企みが露見する恐れはないはずだった。しかし椿山藩の切れ者・田中孫蔵は現場の不条理な状況から、ただの物盗りではないことに感づいていた。そんな中でも「うつけ」と評判の呑気な藩主の本郷宗政は、思いもよらない方法で賊をおびき寄せると言い出す。「ただの馬鹿殿ではないとわかってはいたが……」――卑劣な奥平藩の侵攻に守勢の椿山藩が繰り出した秘策とは?
目次
第一章 凶報
第二章 駆け引き
第三章 百姓大名
第四章 評定
第五章 下郷陣屋
第六章 策略
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
53
宇佐見安綱は、藩財政の好転を賭けて勝負に出る。時は、慶安三年(1650)。三万石の譜代大名である奥平藩、藩主宇佐見左近将監安綱は、領地が山間地であるために米を栽培するより山林が多く、三万石ではなるが実質二万石しか米はとれない貧乏な藩である。このため借財がかさみ身動きできない状態になっている。宇佐見安綱は、藩財政を好転させるために、隣国椿山藩の豊かな土地「平湯庄」に目をつける。2023/09/07
犀門
1
No. 028★★★★☆第1巻が相当面白かったので 、迷わず第2巻へ。うーむ。話のテンポが…。2024/06/14