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内容説明
やさしさとかわいらしさあふれる幼年童話で、学校や図書館で大人気の茂市久美子が描く心温まるファンタジー。小3国語教科書(東京書籍)にも掲載され、子どもたちにも長く愛されつづけてきた『ゆうすげ村の小さな旅館』待望の続編です。
ゆうすげ村で紙すき屋をはじめたかえでさん。彼女がつくる紙をもとめて、いつもかわったお客さんがやってきます。
四季の移ろいの中まきおこる、心温まる6つのファンタジー!
「源兵衛山のフクロウ便」 かえでさんの家にまちがえて届けられた山菜のかご。まちがえた配達人は……?
「魔法の糸」 かえでさんが買ったハスの花の鉢。花が散った鉢の中に小さなオタマジャクシがかくれていて……。
「願い薬」 突然の風にまいこんできた大きな袋にすいこまれ、かえでさんが運ばれたところは?
「ウサギのポトフ」 かえでさんの家にやってきた女の子の注文は、紙でつくったランチョンマットでした。
「雪あかりのやどる紙」 その日、かえでさんが出会った3人の女の人。みんなこれから「山姥山」へいくそうです。
「カモシカ生花店」 桜の枝をかかえたその青年は、かえでさんに、桜の枝で染めた紙をすいてほしいとたのみます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
55
優しいファンタジー。昔、ゆうすげ村でつくられていた「やまが和紙」。すっかり途絶えていましたが、その存在を知ったかえでさんが紙すき屋さんを始めます…。実は、かえでさんは前作「ゆうすげ村の小さな旅館」のおかみさん、つぼみさんの親戚。つぼみさんも少しだけ登場します。今作から読んでも十分楽しめますが、つぼみさんだけでなく、前作のうさぎの父娘も出てくるのが嬉しい。今回はプロローグとエピローグがありますが、これが意外と重要なことがラストに分かります。2023/08/05
ぶんこ
35
ゆうすげ村で盛んだった「やまが和紙」が廃れていったことから、かえでさんがよみがえらせました。そこへフクロウさんやカササギと女の子、流星痕を捕まえる若者、菜月さん、雪で折れた桜の枝を集める若者たちが訪れては注文をしていきます。かえでさんのおっとりと待つ姿勢が素晴らしい。それとともに和紙の持つ素晴らしさも強く伝わってきました。私も山菜の注文が和紙の袋に入ってきたら嬉しい。和紙で作った桜の花びらがある便箋や封筒、特に一筆箋を買いたくなりました。2023/08/17
anne@灯れ松明の火
21
「ゆうすげ村の小さな旅館」を再読してから、この新刊へ。旅館のつぼみさんの親戚のかえでさんは、途絶えてしまった「やまが和紙」を復活させようと、紙すき屋さんを始める。旅館と同様に、不思議なお客様からの注文が入り、徐々に、かえでさんの仕事も軌道に乗っていく。優しく、ほっこりするお話ばかりで、和紙にくるまれたような温かい気持ちになる。挿絵が菊池恭子さんから門田律子さんに変わった。23年ぶりでは、同じ人は無理だったのかな。いっそ変えるなら全く違う絵柄ということ? つぼみさんが違いすぎてビックリだけど(笑)2023/08/14
花林糖
15
図書館本。『ゆうすげ村の小さな旅館』のつぼみさんの親戚のかえでさんは、途絶えてしまった「やまが和紙」を復活させ紙すき屋さんを開きます。山の奥からは様々なお客さんが来店。桜の枝から作られた和紙の文具品を購入したいです。優しい穏やかな物語。2023/08/20
じゃすみん
3
わーい ゆうすげ村に紙漉き職人のかえでさんが越してきます。絵も描きます! そんなかえでさんの工房兼おうちに、今日もふくろう山菜便が届き神様や注文が舞い込み、うさぎのポトフが届くのでした(^^) しかしこの世界でも「わるい風邪」が流行っているおかげで、荷物と羽音を残して消えるふくろう便さんが、置き配 で納得されてる笑2024/02/09