ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論

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ゴーマニズム宣言SPECIAL 愛子天皇論

  • 著者名:小林よしのり
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 扶桑社(2023/06発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784594095000

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内容説明

近年、皇族数の減少が続いている。象徴天皇制は国民の間で広く定着しているが、この問題を放置すれば皇室制度の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねない。それにもかかわらず、安定的な皇位継承策を巡る議論は一向に進んでいないのが実状だ。

そんな淀んだ空気を打破するように、岸田文雄総理が2023年1月、国会で「衆参両院議長の下で検討される」と答弁。翌月の党大会でも「先送りの許されない課題で国会での検討を進めていく」と強く主張したこともあって、皇位の安定継承を巡る議論が再び動き出しそうな気配となっている。

 だが、この問題はすでに結論が出ている。2000年代半ばに当時の小泉純一郎政権が皇室典範改正に向けて立ち上げた有識者会議が出した最終報告がそれだ。

■女性天皇および女系天皇(母系天皇)を認める。
■皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先とする。
■女性天皇および女性皇族の配偶者になる男性も皇族とする(女性宮家の設立を認める)。

 このときは、秋篠宮紀子さまが悠仁さまをご懐妊されたことで議論は立ち消えとなり、答申を受けた法案の提出も見送られることになる。

だが当然のことながら、悠仁さまのご誕生をもって皇位の安定継承の問題が解消されたわけではない。なぜなら、126代にわたる歴代天皇のうち約半数が「側室」の子であったため制度は長年維持できたものの、大正天皇の御代に事実上廃止となった側室制度を現代に復活させることは不可能であり、皇族がお一人増えたからといって皇位の安定継承にはつながらないからだ。

ではなぜ、議論は立ち消えとなったのか?

 それは、男系継承を絶対とする「自称・保守派」の面々が、故・安倍晋三元総理の後ろ盾となり握りつぶしたからにほかならない――。

歴史を遡って「八方十代」(10代にわたって8人)いた女性天皇を「中継ぎにすぎなかった」と言い放つ彼ら「男系固執派」は、1947年(昭和22年)に皇籍を離脱した旧皇族の末裔に当たる結婚適齢期の男子(生まれながらの一般国民)を「準皇族」扱いしてもてはやし、あろうとことか、皇室典範で禁じられている現皇族との養子縁組みを行い、ゆくゆくは愛子内親王殿下と結ばれるよう画策しているのだ。

これは、愛子さまの意思をないがしろにした謀略であり、何より憲法第14条(法の下の平等)の定めた「門地」による差別に当たる。

 しかも、彼ら保守を自認する「男系固執派」は、この旧皇族の末裔に当たる男子が「複数人存在する」と言い張り、そればかりか、彼らのうちの何人かは「いざというときのために覚悟はできている」(皇統断絶の危機に瀕するようなことがあれば自ら名乗り出るつもりだ)と証言している、と何の根拠も示さずに主張しているのだ。

 共同通信が2021年3~4月に行った世論調査では、女性・女系天皇を容認する声は実に80%以上にのぼっている。にもかかわらず、誰がそれをかたくなに阻んでいるのか……? 

『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』(小学館=2009年6月)をはじめ、『新天皇論』(同=2010年10月)、『昭和天皇論』(幻冬舎=2010年3月)、『天皇論 平成29年』(同=2017年2月)を次々と上梓し、天皇という国体そのものを深く探究し続けてきた漫画家・小林よしのりが突きつける衝撃の問題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

175
いかに安倍晋三や竹田恒泰とか言う人物が皇室を棄損してきたかがよくわかる一冊。 雅子皇后や今も続く秋篠宮家への根拠のないバッシングは日本国民であれば辞めてほしい。 男系派の無根拠なネットの論戦を見ても話しを逸らしてるだけで、後ろ向きな議論でしかなく、皇室を前へ進めないとダメだと改めて思わされる名著。 しかし美智子様、雅子様、佳子様と3代続けて精神的に追いやられる皇室を目の当たりにして本当に悲しいし、日本はもはや皇室を戴く資格がないのかもとまで思える。 どうか皇室と日本国民にとってあるべき姿に戻ってほしい。2023/06/23

たまきら

46
そもそも天皇制を敗戦後廃止すべきだったのでは?と思っている自分ですが、様々な公務を通じて感じられる平成天皇のお人柄を尊敬していました。愛子さんが天皇になりたいかはわからないけれど、皇族の女性たちへのすさまじいハラスメントを見ると(こんなひどい時代錯誤の世界で生きていくなんてかわいそうだなあ…)と単純に同情します。全てではありませんが、なぜ第一子が継ぐシステムがいけないの?をはじめ基本的な部分において(驚くことに)著者に賛成です。女性が太陽神な国なんですから、和の国らしいおおらかさで認めればいいのになあ。2024/04/07

南北

39
ツッコミどころ満載の本。皇室は「先例・男系・直系」を重視するが、あくまでもこの順序で考えるべきなのになぜか「直系」だけを重視して愛子内親王殿下を皇太子にすべきだとか皇室が「男系」ではなく「双系」で継承してきたというのも先例を知らない人の議論としか言い様がない。旧宮家から皇族にする話も憲法14条「門地の差別禁止」を理由に反対するというのも疑問符がつく。さらに森友事件に言及して陰謀論を展開するに至っては反論することすらバカバカしいとしか言いようがない。2025/02/24

Y2K☮

33
今後も皇位継承者を男系男子に限定するなら、悠仁さまとご結婚される方が男子を産まなければ皇統は断絶する(現代の価値観で側室制度の復活はあり得ない)。医療が発達しても産み分けはできぬ。にもかかわらず、男を産めと不当なプレッシャーを掛ける状況があってはならない。旧宮家の子孫は生まれた時からずっと一般国民。国の都合で皇籍取得を強いることもやはりあってはならない。これらは憲法云々を持ち出すまでもなく、ごく一般的な人権感覚ではないか? 山尾志桜里さんに対して思うところはあるが、この件に関しては彼女の姿勢を支持します。2025/07/08

belalugosi6997

22
判るなぁ~、もう15年か!常識や正論、多数意見をぶつけても遅遅として進まぬ現状のもどかしさ、私の経済政策と完全に被る。固辞派へ「いないよ、皇籍取得したい人なんか。詐欺だよ、それ」この復帰と取得こそが今回のキーワードの一つである。固辞派問いたい、「婿養子って聞いた事ある?」って。政治家は本当に信じ込んでるの?それとも「今だけ、票だけ、自分だけ」なの?絶望的な状況だが一縷の光が、それは世論である。既に双系か?男系か?圧倒的多数の結果が示す。愛子天皇が誕生したら皇居で泣きながら万歳三唱したる!ベスト著書。2024/04/13

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