内容説明
浅草の油屋・利根屋の娘お玉に、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がった。しかし見合いの前日、お玉は置手紙を残して姿を消した。利根屋の体面と命運のかかった縁談である。身代わりとなったおまいは、当日、〈えにし屋〉を名乗る謎めいた女の元で、美しく着飾らせてもらい見合いの席に臨む。しかしその後もお玉の行方は一向に掴めないままで……。浮世には結びたい縁もあれば切りたい縁もある。縁を商いとする者と頼る者の光と影に、心揺さぶられる長篇時代ミステリー、シリーズ第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
49
再読、なのに気づかず読み進んでしまった。自分の忘れっぽさにあきれてしまう。養父の太ももの肉を食べる場面でやっと「ああ、これは既読だわ」と思い出すなんて…2024/08/29
のびすけ
26
人と人の縁を商う「えにし屋」。心温まる人情ものかと思いきや…。第2話から様相が一変、血生臭い不穏な展開に。お初の素性も怪しさ満載。どんなシリーズになるんだろ。表紙のお初の表情がいい。2022/09/28
ひろ20
25
『えにし屋」の主人 才蔵とお初が、縁を結んだり、切ったりする、今まで読んだ事のない商いが興味深く引き込まれました。縁を結ぶも切るも、その身辺調査をする聞き込み、推測、手腕がお見事で、さすがの時代ミステリーでした。才蔵とお初の暗い過去もあり、物語に深みがありました。2025/01/19
tomtom
21
次作が出ていたので、再読。おまいが自信を持って働いていこうとする姿がよかった。初や才蔵の秘密、冥鬼丸はまだ残党はいるのか続きが気になる。2023/11/22
たつや
13
人と人との 縁を結ぶ、縁を切るを商売にする「えにし屋」の初と才蔵が織りなす物語、 なかなか面白い。 初と才蔵の正体も、なかなか味わいがある。 「えにし屋春秋」からのフレーズです。 「苦労は不幸とは違う。」 ブログ:https://sunnext.exblog.jp/30504024/ 2023/12/27