内容説明
薬売りだった父を亡くし、江戸へ旅立った生き別れの兄を追ってきた娘はる。偏屈者の治兵衛から任された一膳飯屋「なずな」で住み込み働きを始めて、半年。兄らしき人物を長崎で見たという消息を得るものの、店を放ってはおけず、彼女の悩みは深まる。一方、好評だった「稲荷笹寿司」が他の店でも出されるようになったある日、新たな料理の考案を治兵衛から頼まれ、行楽の季節に合わせて弁当を考える。そして棒手振りのみちの与兵衛への想いも募り、店の面々は二人を縁結びしようとするも……。慎ましい庶民の味と生活への讃歌。大好評時代劇第三弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
155
相変わらず、料理が美味しそう。そして、常連さん達との繋がりも深まってる。でも、今作は一膳飯屋というよりは、仕出し屋というか、現代に置きかえるのであれば、テイクアウト専門店みたいな展開になってた。ただ料理を作って提供するだけではない。一膳飯屋をどう切り盛りしていくか。はるにとって、料理人の腕を問われるのはもちろん、“なずな”をどう切り盛りしていくか、正念場であり試練だね。商いの道は険しい。はる、頑張れ!知恵をふり絞れ!とエールを送りたくなる。2022/12/28
坂城 弥生
42
お弁当でお店も順調かと思いきや落とし穴が…次巻以降どうなるか期待です。2023/05/02
kagetrasama-aoi(葵・橘)
29
「はるの味だより」第三巻。はるが一膳飯屋なずなを繁盛させようと頑張る姿は思わず応援したくなります。お兄さんを探す話とはなかなかリンクしないので、そこはもどかしいですが。はるの友人となったみちと与七との仲を取り持つ花火弁当の話は素敵でした。でも一点、気になる箇所が。 “かんてんと豆腐を使ってこおりどうふを作り出す。” とあります。そして表紙絵にその絵があります。この料理、釈然としません。かんてんを使った “よせ” に賽の目に切った豆腐は入れるの無理だと思います。私の故郷は “寒天の里” と言われて(続く)→2024/02/22
むつこ
28
シリーズ3作目。私、お澪(高田郁・みおつくしシリーズ) よりこのはるちゃんのほうが好き。商いのしかたを教える店主・治兵衛もイイ。真似したい料理がたくさんあった、作ってみるのも楽しみだ。2023/06/04
あっちゃん
26
順風満帆とはいかないようで、ちょっと心配のまま次巻へとか(笑)でも今回は、みちと与七の話にホッとした!いきなりの進展に笑っちゃったわ( ̄ー ̄)2023/10/10