文春e-book<br> それは誠

個数:1
紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

文春e-book
それは誠

  • 著者名:乗代雄介【著】
  • 価格 ¥1,800(本体¥1,637)
  • 文藝春秋(2023/06発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163917214

ファイル: /

内容説明

第169回芥川賞候補作に選ばれた、
いま最も期待を集める作家の最新中編小説。

修学旅行で東京を訪れた高校生たちが、コースを外れた小さな冒険を試みる。
その一日の、なにげない会話や出来事から、生の輝きが浮かび上がり、
えも言われぬ感動がこみ上げる名編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

158
このひねくれもんが!ひたすら面倒くさい、こじれ男子の主人公に毒づいていたのが嘘みたいだ。修学旅行、自由行動の1日。GPSまで持たされて班行動が鉄則なのに「俺はおじさんに会いに行く」あまのじゃくにも程がある。何だかんだで付き合う男子、男4人の珍道中。全く素直じゃない、腹の探り合い的な応酬から明らかになるそれぞれの内面の屈託、そして生まれる不思議な連帯感。謎の発言の真意、溢れる思い。あんたらみんな、優しいぞ!ザ・アオハルのラストも良いんだよなあ。これまで読みそびれていたけどまた追いかけたい作家に出会えた。2023/11/13

いっち

153
掲載された雑誌の表紙に、「4人の若者のかけがえのない生の輝きをとらえた、著者の最高傑作」と書かれていた。出版社側が最高傑作と謳った作品で、本当に最高傑作だった作品はあったっけ。そんな感じで読み進めていた。バイアスはよくない。最高傑作だった。4人の若者とは、4人の男子高校生。修学旅行で東京に行くが、そのうち自由行動の1日で、日野に行くことになる。4人は仲が良いわけではない。ただのクラスメイトが、友達になりかけていく関係性の変化が、描かれていた。それを「かけがえのない生の輝き」と表現するのは、ちょっとくさい。2023/06/25

おくちゃん🌴柳緑花紅

135
乗代雄介さんの作品に何故か強く惹かれる。「旅する練習」からファンになってこの作品で5冊目。今回も良い!派手でも奇をてらう訳でもない。だけど、そっと深い。そしてこっそり読む人を感動させる。修学旅行の班のメンバー7名各々の筆跡を物語を読み進めながら想像してみる。1日の自由行動で提出したコースを外れある冒険に!殆ど話もしなかった彼らが、誠君の 目的の為に行動を共にする事で、それを離れた場所で支える事で一気に関係性は変わり煌めき出す。何気ない会話が、何気ない行動が、舞い散る落ち葉が、冷めたピザが、ギターと歌詞。2024/01/21

ちゃちゃ

111
読了後、ふと頭に浮かんだのは「万有引力とは ひき合う孤独の力である」。ご存知、谷川俊太郎の詩『二十億光年の孤独』の一節だ。ともすれば思春期は自意識過剰で被害妄想的、自分の殻に閉じこもって孤独な自分を持て余す。けれどだからこそ、逆に他者の存在を求める。「僕はこの世界のために孤独なんだ。そう信じることで何かし続けるなら、僕は世界を、世界は僕を、共に支えることができるだろう」佐田誠が修学旅行で得た、世界(他者)への信頼という深い気づきは、孤独であるが故の温かい繋がりを生み出していく。胸アツの素敵な青春小説だった2024/01/24

愛玉子

110
斜に構えた男子高校生の一人語りは少々読みづらいなと思ったけれど、中盤からどんどん引き込まれる。それほど仲良くもない、微妙なメンバーでの修学旅行、そのうちの一日がメインで語られるのだけれど、なんでもない風景(公園の落ち葉の描写の美しさよ)や、本人は前のめりに自意識過剰気味なのに、表向きさりげなさを装った会話がキラキラと眩しい。学校に戻ったら仲良しグループになるかというと、多分そうはならないのだろう。でもこの旅行のことはみんな一生忘れないだろうな、と思えるのもまた良き。読み終えると、序盤の面倒臭さも愛おしい。2024/01/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21375155
  • ご注意事項

最近チェックした商品