内容説明
地獄巡りの終着。滅びゆく世界と二人の未来。
地獄巡りの末に、藤花と朔は「神様」と逢った。
山査子の座敷牢に囚われていた神様と呼ばれる超常の存在はーー力を抑えていた異能消去者の逃亡によりーー暴走を開始。
神様という名のアレは世界を滅ぼせる怪物。
アレは、世界を呪っている。人間を呪っている。生物を呪っている。
海を。陸を。空を。生者を。死者を。なにもかもを呪い続けている。
そして、その殺意は伝染する。
神様の呪いの影響を受けた者は壊れ、殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺す。
伝染した人間や動物は呪いの新たな感染源となり、殺意を世界に伝播させていく。
混乱した世界はやがて藤花と朔をも呑み込み、破滅へと突き進む。
世界を救う道はひとつ、神様を殺すことーーつまり「神殺し」。
その神殺しのためには「藤咲の女たち」が必要であり、特に藤咲藤花は需要な存在なのだという……。
「かみさま」になりそこねた少女とその従者の物語は、ここに終演を迎える。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
地獄巡りの末に「神様」と逢った藤花と朔。山査子の座敷牢に囚われていた神様と呼ばれる超常の存在が、力を抑えていた異能消去者の逃亡により暴走を開始する第四弾。世界を呪い、人間を呪い、生物を呪っている神様。伝染してゆくその殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺し、殺意を世界に伝播させていく人々。殺意が蔓延する世界で壊れてゆく人々のエピソードがあって、そんな世界でも二人の世界はどこまでも甘々で、そのギャップはなかなか来るものがありましたけど、だからこそ二人が破滅する世界を救ってみせたその結末が鮮烈な印象として残りました。2023/06/20
らいら
8
祝・完結。最初から最後まで、残酷で厳しい世界観が続く作品ではあったが、終わり方はとても良かった。読者の想像の斜め上を行く展開には、毎回驚かせてもらえたのも、中々。2023/07/31
真白優樹
7
解き放たれた「神様」により世界が狂気に包まれる中、藤花の家による「神殺し」が幕を開ける最終巻。―――世界と1人、一瞬でも、それでも最後まで。 狂気と惨劇をいっそ淡々と、どこか他人事に描く中、こんな世界でも人の業に向き合う巻であり、向き合い進んだ先に朔が一つの選択をする巻である。その選択が招くのは、何よりも重い業。それでも選ぶ、彼女と最後まで生きることを。その選択の果てに待っているのは本当に幸せなのか。その答えは彼にとっては是。では我々にとっては? それは是非考えてみて欲しい。 うん、面白かった。2023/06/21
Pustota
5
世界が終わりに向かう中、二人の甘い時間にも常に影が落ちて見える。そしてついに運命に追いつかれる。あんまりな選択。なんとも幸せでおぞましい結末に震えた。考えれば考えるほど怖い。本当に、地獄にすら値しない。2023/06/28
水無月冬弥
3
#ラノベ #キミラノ これまでも人を愛する事に対する深さと恐ろしさを描いた来た話を締めくくりをこの話でもっていくとは……。これはハッピーエンドなのか? いや、ある意味これ以上ないハッピーエンドなんだけど、これしか幸せになる方法はないんだけど、本当にこれでよかったのか……。いやあ、思考がグルグル回る。すっきりした読後感ではないのが、この作品らしいですね 2023/07/06