立東舎<br> 駈込み訴え(乙女の本棚)

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立東舎
駈込み訴え(乙女の本棚)

  • ISBN:9784845638895

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内容説明

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人気シリーズ「乙女の本棚」第33弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

あの人は、私の女をとったのだ。いや、ちがった! あの女が、私からあの人を奪ったのだ。

「ずたずたに切りさいなんで、殺して下さい」。男はそう言って、自らの師の居場所を密告した。

太宰治の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズではイェイツ『春の心臓』、江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

116
乙女の本棚シリーズ。イラストレーターはホノジロトヲジ。裏切り者のユダの独白。「私は天国を信じない。神も信じない。あの人の復活も信じない。」「けれども私は、あの人の美しさだけは信じている。あんな美しい人はこの世に無い。私はあの人の美しさを、純粋に愛している。」「私の手で殺してあげる。他人の手で殺させたくはない。あの人を殺して私も死ぬ。」太宰らしい矛盾した感情と美への賛辞、死の渇望。ユダもイエス・キリストも34歳。銀三十で売り渡したとされるが、2006年ユダの福音書発見で新たな見方もなされているらしい。2023/07/31

寂しがり屋の狼さん

50
『乙女の本棚』シリーズ32冊目📚太宰治は同シリーズでは4冊目、挿絵はホノジロトヲジさん。(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠)太宰治が12番目の使徒、アスカリオのユダについて描いているとは知らなかったので、乙女の本棚に感謝です。2023/11/10

ぐうぐう

40
『乙女の本棚』で読む「駆込み訴え」。太宰治は、このシリーズで最多登場なのではないか。それだけ太宰の語りのうまさが時代を超越している証しと言える。本作も、そんな太宰の語りで読まされる。新約聖書におけるユダの裏切りを、太宰流の視点で描き直しているのだが、ユダにしろキリストにしろ、ここではとても人間らしさが滲み出ている。愛憎が貧富や格差といった環境が要因で芽生えていくというよりかは、あくまで内なる感情から沸々と湧き上がっていることを太宰は描いていて、(つづく)2023/06/30

gtn

29
ユダの訴えは、すべて情緒。イエスに心底惚れ込んでいる。だが、相応の愛の見返りを感じられなかったことが憎悪、いや憎悪ではない、愛憎相半ばする支離滅裂に繋がった。イエス亡き後、ユダは悔悟したか狂乱したか。2023/08/30

kitten

22
図書館本。乙女の本棚シリーズ、太宰の「駆込み訴え」。初読だったけど、どういう話なのかは知っていた。うわー、病んでるなぁ、というのが率直な感想。これは何?単純な話であるわけはないんだけど、人の感情というのは、多面的なもので。愛しているというのも、憎んでいるというのも、どちらかが嘘というわけではなく、両立しているように見えるな。しかし、こんなの書いていいのか?あちこちから怒られないかな。イラストはいかにも不穏な雰囲気でよいね。2024/02/18

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