内容説明
皇女になった最強魔女の嫁入り先は……?
「光栄に思いなさい、九垓。このわたしが結婚してあげるわ」
今や驍国の皇帝となった九垓に、そう高飛車に求婚したのは芳国の皇女・璃珠。しかし九垓は冷たくこう応えた。
「誰があなたなど娶るか。俺が愛するのは百花の魔女ただひとり」
この返事に愕然としたのは璃珠だ。九垓が件の「魔女」のことをそんなふうに思っているなんて知らなかった。
なにより、この状況ではとても言えない。自分がその「百花の魔女」――かつて芳国最強の魔女とされ、いわれのない罪で斬首された「華陀」本人だということは。
そもそも九垓は魔女の「愛し子」だ。華陀が幼い彼を拾い、長く育てた。いわば息子のような存在だった。だから奇跡が起きて自分がこの璃珠の身体に転生したとわかったときから、百花の魔女は心に決めていたのだ。彼の
夢も未来も自分が守ってやると。そこで手始めに世界を奪い、九垓に与えてやること――それが愛し子を幸せにする方法だと分かっているのだ。
すれ違う「魔女」と「愛し子」の想いの結末は? 風味絶佳の中華風ファンタジー!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
27
今や驍国の皇帝となった九垓に、高飛車に求婚した芳国の皇女・璃珠。冷たくつれない九垓を、かつて彼を愛し子としていた百花の魔女の記憶を持ったまま転生した彼女が幸せにする中華風ファンタジー。かつて芳国最強の魔女とされ、いわれのない罪で斬首された華陀。人質だった自分を可愛がってくれた彼女を慕い忘れられず、自暴自棄になっていた九垓。彼の未来を守るため何とかしようとする璃珠に、九垓がかつての面影を見出してゆく展開で、思わぬ元凶の存在には驚かされましたけど、二人らしい関係性を取り戻してゆく結末がとても素敵な物語でした。2023/08/17
nishiyan
9
あらゆる草花と心を通わせる「百花の魔女」にして芳国の女帝・華陀の前世を持つ皇女・璃珠がかつて育てた驍国皇帝の九垓の元に嫁いだことから始まる中華風ファンタジー。高慢にして不遜だが内に入れたものに対しては独特の愛情表現を示す華陀こと璃珠と、そんな彼女に育てられた九垓の言葉の応酬は小気味良くて面白かった。華陀を斬った異母兄との確執から国の存続を揺るがす問題にまで迫るシリアスな展開が続き、思いもよらない黒幕の正体には驚かされた。事件は解決し、璃珠は九垓の想いに応えることができるのか。刊行が決まった次巻が楽しみ。2024/03/22
色素薄い系
5
面白かったです。九垓に自分が転生した事は話さないでおこうと決めた割にはまんま華陀だったからそりゃあ彼は混乱しますわ。もしかして?がほとんど確信に変わった辺りの手のひらの返し方が良かったね。でもこっそり扉の隙間から覗いてるのとかお前も大概不器用だな!になったけど。2人の関係はまだこれからという所で終わっているので続きが出るなら読みたい。璃珠の九垓に対する気持ちは果たして恋愛なのか?という部分もまだ分からないし。2023/09/02
さなだ
1
図書館2023/07/07
よっしー
0
面白かったけど、時間遡りでない、別人に転生した場合、転生された方の人格はどうなるのかな、とかちょっと思っちゃうんだよね…。あんまり考えちゃいけないんだろうけど💦2023/12/23