内容説明
熊野、高野…神仏、妖かしが巣食う和歌山県のご当地怪談
「和歌山は妖怪の木乃伊が多いんだよ」各地に鴉天狗や人魚、雷獣が… (「人魚の思い出」より)
幼い頃、和歌山の古寺に住んでいた大叔父に連れられて見た人魚の木乃伊――。ホラー作家・田辺青蛙が、原体験から手繰り寄せた紀州・和歌山の怪異奇譚の数々!
・印南町にきた行商人から買った肉を食べ…「旅商人の肉」
・ある日突然、庭先に転がる何百もの蜜柑「みかんの神」
・瓶詰になった怪しい代物「妖怪を売る男」
・分厚いアルバムが落ちていて中身を見ると…「虫喰岩」
・登山道にあるたくさんの能面、そして現れた女が…「面の森」
そして、熊野街道を辿り紀南へ修行に来ていた陰陽師・安倍晴明の伝説とは!
海と山に囲まれ様々な妖怪や不思議が息づく和歌山、魅惑の裏ガイド!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
35
“手に残った、冷たい器の感触。庭から差す光、網戸にくっついたカメムシ。冷たい古い木の床と線香の香り。青やピンクの光をまき散らしながらくるくると回る盆灯篭。” 怖い話というよりは不思議に包まれるような感覚だった。果てしない大海原に面しつつ、すぐそこは山深き地である和歌山。得体の知れないものなら、いくらでも出てくる。出逢っても取り乱さない相手にならない、あやしい食べ物は口にしない、これ大事。七が不吉な数字だとは知らずゾッ。庭先に何百と蜜柑が落ちていた話と、命を絶った後もついてくるストーカーの話が不気味だった。2024/03/07
ピンガペンギン
27
著者が小さい頃に可愛がってもらった大叔父さんの思い出に捧げられるような怪談本で、不思議な話、民俗逸話集の要素が強くて、読み応えがあった。やはり語りのうまさがあってこそ面白い。和歌山で七は不吉な数字だと信じられていたのは、何故なのか?他の個所で僧侶の呪いの話が出てきますが、その関係なのか。若い人が突然死するとオメク(叫ぶ)風習(呼び戻せると信じられていた)が1960年代まであったというのも興味深い。2024/06/18
雨
27
人魚、かわいいのが出てくると思ったのにミイラは可哀想💦妖怪の瓶詰め見てみたい。2023/06/15
chiaki
25
和歌山は県土の8割以上が山地なのだと。夜は漆黒の闇を纏って黒々と聳え立つ山々が、昔なんとなく怖かったのを思い出すし、帰省の折には夜の静寂さが、大人ながら震えるほど恐ろしく感じることもある。高野山や熊野を抱える和歌山という地は、神仏も妖怪もあの世もこの世も地続きのようで、このような怪談話を読むと畏怖心が一層掻き立てられる。和歌山市「肝試しの悲劇」、上富田「面の森」、古座川町「虫喰岩」、和歌山市・有田川「竹内さんから聞いた怪談」が気味悪くて怖かった!民話も多く参考とされていて、伝承としての怪談の魅力を感じた。2026/01/16
こぺたろう
11
何となくまた読みたくなって、再読。怖い話と不思議な話が混在していて、読み進めるのに飽きがきません。私が和歌山に来たのは就職してからですが、こうした伝承に触れると、改めて紀州を面白く感じ、愛着を覚えます。2023/11/03




