- ホーム
- > 電子書籍
- > 絵本・児童書・YA・学習
内容説明
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
どちらの船が私かわかりますか?
わたしは、にちげつまるという船です。
大きくて美しくて波をけってすすむ
すばらしい船です。
昼も夜もひろ~い海をはしりつづけています。
ある日、船長が、「追い風に乗って波をけって進むために」舵を取り替えると言いだしました。
それからも船長は、美しい船の部品を次々と取り替えてしまいます。
すべて部品を取り替えられてしまった船は、どうなったのでしょうか?
※この作品はカラーです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
39
全ての部品を新しいものに取り替えた船と、元の船で使われていた部品で出来た新しい船。どちらが本当の船か。テセウスの船をテーマに書かれている。哲学的で難しい。これはブックトークすると面白いかも。2023/09/02
ヒラP@ehon.gohon
23
古くなって部品を取替えられながら航海している船と、取替えられた部品を全部集めて再生した船と、どちらが本当の自分なのでしょう。 恐ろしく哲学的なテーマを描いた絵本です。 日々生きるために新しいものを身に着けていく身体こそが自分だと思いたい。 それは命でしょう。 でも、今まで捨てて来たものも自分自身に違いありません。 それらを集めて、もうひとりの自分ができたと想像したら、今の自分よりすごいのかも知れないけれど、命は持っていないでしょう。 2023/08/04
ケ・セラ・セラ
21
劣化老朽化すれば部品の交換は必要で、ましてや安全な航行を考えれば当然とも言えること。だからそれを一概に非難することはできない。けれども取り外された永く使ったそれらを、なお大切にしてくれる船員を思うと、胸が熱くなる。…さて、あらゆる部品を新しいものに取り替えた船と、もとの木材で再現された船。本物とは一体どちらでしょう。哲学的ですが、医療が進歩しAIも暮らしに大きく影響してきている現代。いろいろと考えさせられます。2023/08/24
ヒラP@ehon.gohon
12
【再読】大人のための絵本2023/08/08
おはなし会 芽ぶっく
11
「にちげつまる」という美しい船。古くなってきたものを新しくし続け美しさを保つ船長。捨てられる古いものを持ち帰り、何年もかけて「にちげつまる」を完成させた船員。全て新しい部品の「にちげつまる」と、元々の部品でできた「にちげつまる」はどちらが本物なのだろうか?著者のあとがき「絵本は、哲学に最も近い芸術なのです。」という言葉が深い。2023/09/09