殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官

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殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官

  • 著者名:大倉崇裕
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 二見書房(2023/06発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784576221960

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内容説明

怪獣パニック×本格ミステリ!!

怪獣の襲来が「日常」になった世界で起こる、三つの謎めいた殺人事件。
『名探偵コナン』、『ウルトラマン』シリーズの脚本も手がける大倉崇裕の最新作!

正体不明の巨大生物「怪獣」の度重なる出現に対抗すべく、専門省庁「怪獣省」が置かれ、発見・予報・殲滅の撃退プロセスを確立させた日本。怪獣の進行方向や攻撃方法を分析する予報官の岩戸正美は任務中、奇妙な事件に遭遇する。風力発電所の停止命令が届かなかった町で、瓦礫の下から見つかった死体。音響統制が敷かれた静寂の中で鳴り響いた一発の銃声。怪獣が生息していると噂される湖で失踪した調査官――そして、怪獣にまつわる事件には必ず、年季の入ったコートをなびかせた一人の中年男が現れる。警察庁特別捜査室の船村と名乗った男のことを、正美は噂で知っていた。怪獣に関連した特殊な事件を扱う「特別捜査官」。正美は、怪獣を巡る奇妙な事件の捜査に巻き込まれていく……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

163
ウルトラマンのいない世界では、怪獣退治も官僚のお仕事でしかない。当然そこには政治や組織絡みの軋轢があり、生じた利権を巡る犯罪も発生する。正確には「怪獣関係犯罪捜査官」である船村が、怪獣退治の現場担当者である正美とバディを組んで事件解決に奔走する姿は特殊設定の警察小説だ。街を破壊し人命を奪う怪獣は確かに恐ろしいが、それを利用して私利私欲を追求する人のエゴはもっと恐い。特撮マニアの心をくすぐるパロディも巧みに織り込まれて、笑うしかない。『怪獣のあとしまつ』などというB級映画よりも、こちらこそ実写化してほしい。2023/10/18

Bugsy Malone

104
主人公は「怪獣文藝の逆襲」に収録されていた短編「怪獣チェイサー」の怪獣省予報官岩戸正美。今回は山本弘さんの「MM9」を彷彿とさせられる怪獣対策をしながら、どうにも「ケイゾク」の泉谷しげるさんをイメージしてしまう専任調査官船村と共に怪獣出現のどさくさに起きた殺人事件を調査する羽目に。特撮好きには堪らないオマージュが随所に読み取れにやにやしてしまいました。「怪獣とミステリ」、私の好きな言葉です。こんな小説は大歓迎、続きが読めることを期待しています。2023/01/10

yukaring

100
怪獣×エンタメ×本格ミステリでまるでワクワクが詰まった玉手箱のような1冊。怪獣が甚大な被害をもたらす世界。被害が深刻だった日本は「怪獣庁」を設立して対怪獣先進国として名を馳せる。しかし怪獣を分析する怪獣予報官・正美が任務中に遭遇する奇妙な殺人事件。止まらなかった風車、音響規制の中で鳴り響く銃声など怪獣ではなく人が原因と思われる事件に現れるのは怪獣捜査官・船村。2人のバディの掛け合いが楽しく、もちろんグランギラスやデスリンドンなど怪獣も出てきて大暴れ。「本当に怖いのは怪獣より人」という船村のコメントが深い。2023/01/19

雪紫

86
「怪獣は怖い。だけどね、人も怖いよ。私にとっては、怪獣なんて比べものにならないくらい、怖い」怪獣襲来が当たり前になった世界。慣れきった今、それに乗じて犯人もそれ以外も欲望まみれの殺人が相次ぐ。怪獣対策色々行われてるせいか、そんな世界に煽られた人間の醜い欲望が際立つことで・・・。そんな事件を目の当たりにしたからエピローグの心境が引き立つ・・・これで続編なかったら色々ズルいぞ。好みは「工神湖殺人事件」。一番怪獣要素おとなしいように見えて個人的には、らしい話だと思った。2023/03/28

bura

85
「怪獣は怖い。だけどね、人も怖いよ。」1954年に怪獣1個体が出現してから(笑)地球上で様々な怪獣が猛威を奮う世界が舞台。日本に怪獣省が設置され、岩戸正美第一予報官と警察庁の怪獣捜査官船村が怪獣にまつわる殺人事件に立ち向かう。ミステリは適度に楽しめ、特撮好きなら土屋嘉男怪獣大臣(笑)、田崎潤首相(笑)、平田(笑)統制官(笑)等々のパロディを更に満喫出来る。適度に期待していたB級映画が思った以上に面白かった。そんな怪獣ミステリ小説でした。2023/08/30

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