内容説明
小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。
ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。
この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。
さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。
「東京バンドワゴン」「花咲小路」「マイ・ディア・ポリスマン」などのシリーズを持つ著者、田舎町の食堂を舞台に、様々な人間模様を描く、心温まる小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゆ
73
2ndではなんと18話・15人の視点!本シリーズでは章題が名前・年齢・職業だけという一風変わったスタイルなんだけど、この人たちがどう繋がっていくのか、この目次を見ただけでもう((o(´∀`)o))ワクワク まぁ、意外な繋がりに偶然出来過ぎ感は拭えませんが、これも小路さんの持ち味と思えばまた楽し。ラスト、十三の豪快なプロレス技と爽やかな握手に拍手です (。>ω<ノノ゙パチパチ♪2024/02/23
カブ
44
「ルート517」は国道食堂とも呼ばれ、唐揚げやカレー、餃子など定番だけどメチャ美味しいと評判の田舎のドライブインだ。登場人物が多くて複雑な感じだけれど、悪い人は1人もいない。それらの人々がみんな、国道食堂で繋がっているのは十一さんのおかげ。ハッピーエンドでよかった。2023/06/30
タルシル📖ヨムノスキー
31
1st seasonから1年後。前作で中心人物の1人だった二方(兄)は役者としてデビュー。食堂の2階に住むことになった空くんは大学生に、機械メーカーの上司・部下だった篠塚・久田の歳の差カップルが国道食堂のリングで結婚式をすることになり…。と緩やかなペースで物語は進みます。そしていつもその中心にいるのは元プロレスラーにして食堂の店主・本橋十一。彼はまさに人と人との縁を結ぶハブのような存在。今回もたくさんの人たちが不思議な縁に導かれ結びついていきます。「年寄りの役目は、若い人に、未来を作らせること」p.3162023/07/01
ピース
30
DVを働いていた夫が元妻を探している。この夫が何かやらかすのではとハラハラしたが、最後はきれいにまとまった。もしよからぬことをしようとしても元妻の再婚相手は何といっても十一さんだからね。ヘタに手出しはできないでしょう。2023/10/15
ロボット刑事K
29
最後まで気を揉みました。DV男がなにかしでかすのではないか、と。各種ハラスメントの実行者、平たく言うと加害者ですが、まず100パー自分のやってることがハラスメントだなんて思っていません。ですから当然罪の意識もありません。DV加害者も相手が悪いのであって自分は悪くない、と考えています。残念ながらこういう人間が考え方を改めることはまずありません。なのでここに登場するDV男は・・・これ以上はネタバレなので控えますが。☆4つ。国道食堂で交差する人間模様。カミさんのお勧めでしたが、読み易く面白かったです。2023/09/12