内容説明
高校生の透子は唯一の味方だった祖母を亡くした。伯母に虐げられ絶望する透子の前に、失踪した母の親族が現れる。「鬼狩り」を生業とする神坂家は透子自身が嫌ってきた「力」を歓迎するという。初めて自分を認められた透子は神坂の神社で暮らすことを決める。
待っていたのは、同い年の少年・千尋や有能な術者・千瑛との共同生活。透子は神坂に生まれながら能力がない千尋の苦悩に触れ、正反対の二人は心を通わせていく。居場所をもらったように感じ始めた透子だが、頻発する行方不明事件をその力で探れと命じられ――。
===キャラクター紹介===
芦屋透子
高校2年生。「不思議なことばかり言う子」と伯母からは辛く当たられてきた。
唯一自分を守ってくれた祖母を喪い絶望していたところに、神坂家の人間が迎えにやってくる。
神坂千尋
高校2年生。一族に生まれながら能力が発現しなかったために思い悩んできた。
屈折した背景をもつが明るく素直な性格で、困っている人は放っておけない。学校でも人気がある。
だいふく
透子と千尋が作った猫又の姿をした式神。
人間の言葉をしゃべる。鬼のにおいには敏感。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
30
唯一の味方だった祖母を亡くして伯母に虐げられ、絶望する高校生の芦屋透子の前に現れる失踪した母の親族。初めて自分を認められた透子が「鬼狩り」を生業とする神坂の神社で暮らすことを決める物語。神社で待っていた同い年の少年・千尋や有能な術者・千瑛との共同生活。神坂に生まれながら能力がない千尋の苦悩に触れ、少しずつ心を通わせていく透子。二人で協力しながら調査を始めた行方不明事件の調査は意外な結末を迎えましたけど、仲良くなった白石兄妹のキャラが楽しくて、透子と千尋が作った猫又の姿をした式神だいふくも可愛かったですね。2023/05/12
はなりん
15
妖を視ることで虐げられてきた透子。唯一の庇護者の祖母が亡くなり、行方不明の母方の親戚の神社に居候することに。母方の家は陰陽道に長けた家で透子の力を求めていた。迎えにきた千瑛や同級生の千尋や猫の小町、式神のだいふくと暮らしていく中で、居場所を見つけ、鬼が起こす事件に関わっていく。力がないと思われている千尋も何か秘めてそうだし、今後の透子との関係が楽しみ。2024/04/13
色素薄い系
7
これは続きが出たらより面白くなる作品だと思いました。まだこの1冊では明かされていない事が多いのでぜひ続きを。透子と千尋が作った猫型の式神(ではないかもしれない)だいふくが同作者の別作品に出てくるキャラを彷彿とさせたけどやっぱりこういうキャラは可愛い。「だいふくお口にチャックする」のセリフが好き。2023/09/05
よっしー
2
主人公の透子が身内に虐げられてたので正直「またこのパターンか…」と思ったけど、描写が割とあっさり目だったのと従姉のすみれが味方だったことで安心して読めた。透子が神社に引き取られてからは千尋との絡みもあって更に面白くなったけど、謎も多いので続きが気になる。2024/05/07
愛華
2
正直恋愛要素は薄いし、展開も分かりやすい。ミスリード狙ったんだろうが、助けてくれたなら敵は誰かと考えたら該当者が少なすぎて分かりやすい。けどそれを差し引いても続きを楽しく読ませてもらった。 けど恋愛要素が薄い。2024/03/05