内容説明
幼い頃から虐げられてきた末の王女マデレーネは、王太子である異母兄に命じられ、“成り上がり”子爵に嫁ぐことになる。王家は金を、子爵家は公爵位を得るための、愛情のない政略結婚。「わかっていると思いますが、俺たちは互いの家の利益のために結婚したにすぎません。あなたを妻と思う気はない」「でも、宮殿での暮らしに比べれば十分に幸せだわ。わたくしはわたくしにできることをいたしましょう」
やがて政略結婚の裏側にあるアランの事情を知ることになり……。
感想・レビュー
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nishiyan
14
幼い頃から虐げられてきた王女マデレーネ。異母兄である王太子に命じられ、借金の肩として成り上がり子爵と悪名高いアラン・ノシュタットの元に嫁ぐことになるのだが…というラブファンタジー。異母兄らによって悪評をばら撒かれたために子爵家で最初は苦労するものの、持ち前の笑顔と亡き母譲りの聡明さで打ち解けていくだけでなく、周囲を巻き込んで仲間にする様はヒーローそのもの。異母兄の思惑と子爵家を取り巻く情勢、アランの彼女への悔悟など難題が山積みながらも二人が真のパートナーへとなるところは心温まるものがあった。次巻が楽しみ。2023/05/13