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内容説明
絵画における近代は、印象派とともに始まる、といわれる。しかし、印象派の「革命」をもたらした要因がロマン主義の運動にあるとすれば、広い意味でのロマン主義に始まる大きな歴史の流れの中で近代絵画は理解される必要がある。本書は、十九世紀前半から第二次世界大戦にいたるおよそ一五〇年間の西洋絵画を概観。上巻は近代絵画の先駆者ゴヤから、ボナールに代表されるナビ派まで。名著をカラーで刷新。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pukupuku
55
著者は、大原美術館館長なんですね。いつか、行ってみたいな。挿入されたカラーの絵画をながめつつ、原田マハさんの作品を思い浮かべながら読みました。2018/02/03
aoyamaborabora
30
近代絵画=印象派という先入観がありましたが、そもそも歴史的にアカデミックな美術が底流亨あるわけなので、近代絵画も古典派で始まるのは自分の中でははっとさせられました。とはいえ、印象派をはじめ、中産階級が力を付け、日常に芸術を取り込むところにこの時代の美術は一端を担われているので、市民の芸術が台頭してきたという点で、自分には親近感があり好きです。2018/12/13
ぐうぐう
30
1975年に刊行された『近代絵画史』を、カラーで刷新した増補版。近代絵画と言えば、印象派から語られるのが一般的だが、著者の高階秀爾は、印象派もそれに至る理由があって誕生したとし、ロマン派から論を始める。その慎重さというか、丁寧な姿勢が、本書を名著にしている所以なのだろう。印象派にしても、安易に一括りにして紹介するのではなく、一人一人の画家の個性がいかに生まれたかを検証していくのだ。印象派にも様々なスタイルがあり、こだわりがあり、それがまた、新たな派を形成するムーブメントとなっていく。(つづく)2017/09/25
ばんだねいっぺい
26
近代絵画の歴史をひもとく。パブロフの犬と化して印象派と聞くだけで頬が緩む自分にはたのしい読書だ。ロートレックいいなぁ。2023/12/30
Bashlier
26
3/5 美術史書の王道。ロマン~印象~ナビ派の画家について、代表作のカラー画付で解説していきます。良くも悪くも著者のご経歴がかなりはっきりと表れている作品。情報が正確かつ詳細という美点と学術的かつ羅列的という点を併せ持ちます。体系的に整理された知識を求める方には非常に有用。一方で、背後にあるストーリーや作者の心理面の描写は限られますので、そのような情報をお求めの方には他作品を推奨いたします。2023/08/13