内容説明
二十世紀の美術は、思いがけない多面的展開によって私たちを驚かす。しかし、抽象絵画やシュルレアリスムの作品は、決して画家の気まぐれや偶然の産物ではない。それぞれの美術運動は、印象派で頂点を極めた写実主義を想像力で乗り越えようとするものであった。本書は、十九世紀前半から第二次世界大戦にいたる一五〇年間の西洋絵画を概観。下巻は、世紀末絵画から抽象絵画まで。増補にあたり、あとがきを新規に収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
pukupuku
55
現代美術になってくると、どうしても理解に苦しむ作品があります。ただ、それって、当時は受け入れられなかった印象派が辿った道と同じということなのかな。2018/02/03
ぐうぐう
39
絵画に限ったことではないが、新しい作品は突然変異として生まれるわけではない。それまでのスタイルに対する反動、あるいはそれを超えようとする意志によって起こる。絵画における近代を語る時、それは印象派から始められることが多い中にあって、高階秀爾がロマン主義から書こうとするのは、つまりはそういう理由からだ。高階は言う。「事実、印象派における光の表現は、現実世界にはたしかに存在する形態や質感を犠牲にすることによってはじめて成立するものであった。(つづく)2019/04/17
ばんだねいっぺい
28
紙幅が足りな過ぎる。脱構築が展開し、ゲルニカで頂点を迎え、モンドリアンへと着地するが、マグリットを別として、キュビズム・シュルレアリスムは、視覚的にかっこいいが物語としては痩せている。もっと、たくさんの絵が見たいと思った。青騎士ってかっこいいなぁ。2023/12/30
Nobu A
25
上巻に続き下巻も読了。19世紀初頭から第二次世界大戦までの約150年の絵画美術の旅、純粋に楽しかった。群雄割拠の様相を呈するフォーヴィスム、キュビスム、シュルレアリスム等がどの様に発生し浸透したか、また「芸術の都」とも形容されるパリの土壌形成等、諸説も含めて筆者の解説と考察が知識の扉を開いてくれた。俄絵画ファンにとっては有り難い限り。欲を言えばもっと巨匠の代表作の絵画写真を挿入して欲しかった。75年初版、23年増補版4版。多くの人に読まれている名著。高階秀爾著書2冊目。知識欲はルネッサンス時代へ向く。2024/03/02
ロビン
21
「目に見える自然」を新たな眼で見つめ、写実を極めた印象派が約束事に縛られていた絵画に革命を起こしたあと、その反動として人間の内面や「目に見えないもの」を表現するルドンやモローが現れた。そして絵画は現実の写生から「ある一定の秩序のもとに集められた色彩によって覆われた平坦な表面」となり、マティスのフォーヴィズムやピカソのキュビズム、カンディンスキーの抽象絵画が生まれ、理性や合理性への反動は「無意識」の領域を説いたフロイトの影響下でダリらのシュールレアリスムとなった・・。やや駆け足だがよく纏められていたと思う。2021/12/21
-
- 電子書籍
- イルミネーション ナイトエンタテインメ…
-
- DVD
- グッドコマーシャル




