内容説明
奈良の平城、春日、葛城、山辺の道、泊瀬、忍阪、飛鳥エリアでよまれた歌と道と歴史をめぐる本。名所旧跡という「点」のみを辿るのではなく、本書ではそこに到るまでの道中にも注目しています。
奈良のあちこちを歩いている、万葉研究者の村田教授が、道すがらの楽しさを万葉歌を混ぜ込みながら書き綴っているので、読み応え抜群です。実際に歩いていただくのはもちろんですが、奈良に行くのが難しい方、万葉集に明るくない方でも、読み物としてお楽しみいただけます。
目次
・はじめに
・もくじ
●宮と京を経て、異境の入り口・奈良山まで
Route1 平城
●高山、若草山…高みから一望し、また野遊びもする
Route2 春日
●古につづく道をひたすら登り、ひたすら降る
Route3 葛城
●おさんぽひとやすみ 二上山
●今日はどのルート?何度歩いても楽しみがある
Route4 山辺の道
●ちょっと豆知識 古代の色名
●積み重なる時間を歩き、「泊瀬の檜原」を思う
Route5 泊瀬
●万葉の気配ただよう、静かなる伝承の地
忍阪
●おさんぽひとやすみ 宇陀
●ゆったり、のんびり 想像力をたずさえて
Route7 飛鳥
●自転車での欲張りコース でも眼差しはおだやかに
Route8 飛鳥(自転車)
●おさんぽひとやすみ 吉野
・おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
51
この本を片手に飛鳥とその周辺を散策する。石上神宮、大神神社、長谷寺に鳥谷口古墳…何と言っても一番は‘飛鳥正宮’跡地。たくさんの万葉歌碑を見て来たけれど、そこに建つ志貴皇子の歌碑が跡地の風景と共に一番印象に残った。古代に思いを馳せた、というと聞こえはいいけれど、実際には妄想が暴走した密度の濃い旅だった(*^▽^*)「婇女乃 袖吹反 明日香風 京都乎遠見 無用尓布久/万葉集巻1-51」2019/04/28
よこたん
39
“石の間隔から塔や寺が立ち上がる。原っぱには荘厳な飛鳥正宮の姿が浮かぶ。ただ、全ては心の中。” 今はもう何もない場所で、かつてあったであろう建物や、景色に思いをはせてみる。万葉の歌を訪ね歩く旅というより散歩・散策の気軽さがいい。飛鳥・春日・葛城・山辺の道…京都のようなきらびやかさはないが、素朴で自然豊かでのんびりした気持ちになれる奈良はよいところ。「あおによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」「東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」大好きな歌も載っていて嬉しい。2017/08/26
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