内容説明
作家であり記号論学者である著者が,読者は小説をいかに読むべきか,作者は読者にどうよんでほしいと願っているのかを,記号論の概念を駆使してユーモアをまじえつつ解説する,ハーヴァード大学ノートン詩学講義(1992─93)の記録.フィクションとは一体何なのか? 虚構の森(=小説)を散策する楽しみはどこにあるのか?
目次
日本語版序文
1 森に分け入る
2 ロワジーの森
3 森のなかの道草
4 可能性の森
5 セルヴァンドーニ街の奇怪な事件
6 虚構の議定書
原註
訳者解説
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
126
エーコは危険。虚構から現実への効能を力説しながらもエーコの愛してやまない文学の世界地図を描いていくから、旅しないわけにはいかない気持ちになってしまう。読みたい本プラス100冊超えか。人生の解釈には文学が不可欠である。善い読書を生涯続ける理由が此処に示されている。2019/08/03
マエダ
103
本書はハーヴァード大学で行われたエーコの6回にわたる講義の記録である。無人島にどんな本を持っていくかと尋ねられるというところ、エーコは電話帳と答えるという。そのこころはこれだけ登場人物がいれば際限なく物語が創造できるからとのことだが。大阪では通用せえへん2017/02/08
フリウリ
35
書く人の重層性(例えば、著者、書き手、話者)、読み手の重層性(書き手が想定する読者、実際の多様な読者)などは、物語論における重要な概念。それを知ることは、書く人にとっても読む人にとっても、気づきがあることを教えてくれる本です。ただ、これは小説の一側面に過ぎないことには、注意したほうがいいという気がしました。72026/04/23
KAZOO
31
ウンベルト・エーコの読書論。連続講義6回分を収めたものです。非常に知的好奇心を満足させてくれます。講義録なので比較的わかりやすい言葉で小説を読むにはどのような観点を重視して読んでいけばいいのかを示してくれます。特にさまざまな作家からの例文をひいての説明なので原作を読んでみたい気にさせてくれます。2014/08/07
やいっち
30
作家である以上に記号論学者であるエーコの、一般向けの講義。 小説を素朴な読者として読むだけで、記号論に限らず、方法論的自覚を以て読むことはなかった。たぶん、今後もないだろう。 ただ、だからと言って、多少なりとも虚構作品を書く自分は、無手勝流に書くわけではない。2017/05/13
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