竹書房文庫<br> ギリシャ・ミステリ傑作選 無益な殺人未遂への想像上の反響

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竹書房文庫
ギリシャ・ミステリ傑作選 無益な殺人未遂への想像上の反響

  • ISBN:9784801932791

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内容説明

ギリシャに形成されつつある新たなる迷宮。本書には、本格ミステリ、ノワール、警察小説など、各ジャンルのギリシャ・ミステリの精鋭たちの作品が収録されている。
回天するギリシャ・ミステリの世界へようこそ。

あなたは希望に胸膨らませた新人作家が大御所ミステリ作家のもとに持ち込んだ原稿を読む(「ギリシャ・ミステリ文学の将来」)。ナンシー・シナトラの曲が流れる中、ひとりの女と男の生涯を追体験する(「バン・バン!」)。現実とミステリの狭間をさまよう(表題作)。陽気な警官たちと観る、ブルース・スプリングスティーンのアテネ公演は最高だ(「《ボス》の警護」)。そして、最悪の愛が通りを駆け抜けてゆく――(「死ぬまで愛す」)。

二千年の時を経て、色合いを変え深度を増した迷宮が、あなたの前に扉を開く。
あなたはそこで怪物よりも不可解なものに遭遇するだろう。
混沌としたギリシャ・ミステリの謎に。

巻末に訳者による詳細な解説と「ギリシャ・ミステリ小史」を付す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

31
図書館の企画棚から鋭い視線を飛ばしてきた赤い本。珍しくもギリシャ・ミステリアンソロジーで15編の短編と前書き2編、ギリシャミステリの歴史を含めた手厚い解説付きの手強い内容でした。ギリシャ市街で繰り広げられるドラマも、マンハッタンやロンドンと同じく人の為す業の範疇ではあるものの、殴りつけてくる強烈な日差し、社会不安と倦怠、過去の恩讐といったスパイスをたっぷり使った様々な小説手法にいささかクラクラしました。どの作品も個性的ながら「死せる時」の娼婦連続殺人、「死ぬまで愛す」のハードボイルドぶりは印象的でした。2023/12/29

本の蟲

12
ギリシャSF傑作選に次いで出版されたミステリの方の傑作選。政情不安や国家破綻等、舞台にお国柄を感じさせつつ、それぞれ魅力的な物語だったSFに比べ、本作は正直よくわからない。ミステリもノワールにスリラー・パズラー等いろいろだが、純粋にあらすじを理解できない話が多数。散文的? 純文学のように内面や心理に重点を置きつつ、虚実入り混じる内容は物凄く好みが分かれると思う。個人的には素直に「おもしろい」とも思える話はなかった2023/08/15

ベック

4
これ、前半とっつきにくくて、後半すんごく読みやすい作品ばっかなの。とにもかくにも竹書房さん、こういうアグレッシブな試み大歓迎です。ありがとうございました。長い感想はこちらに→https://www.honzuki.jp/book/318947/review/295296/2023/09/20

kokekko

3
短編集。あまり好みではなかった……というか「イタリアやギリシャではこれが受けているのか」というような驚きがあった。積んでいる『ノヴァ・ヘラス』(そちらはミステリではなくSF)も読んでみようと思う。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの戦争やイスラム過激派などの問題が現代と地続きになっているところに、現代ギリシャ世界のお土地柄を感じた。2023/08/05

あんすこむたん

1
ギリシャミステリーを集めた著書。悪くはないが、好みや人を選ぶようなものが多かったか。ミステリーといってもこんなものもあるのかと興味深くはあった。2024/03/20

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