創元推理文庫<br> 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

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創元推理文庫
迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

  • ISBN:9784488585099

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内容説明

好古趣味と巧みな恐怖演出で近代怪奇小説の礎を築いたM・R・ジェイムズ。幽霊、魔女、異界など多様な題材に怪異のリアリズムを追求しつつ心理学的解釈を加えたアルジャーノン・ブラックウッド。『幽霊島』に続く平井呈一怪談翻訳集成第二集は、マッケンとあわせて英国怪奇小説の三羽烏と称される恐怖の名匠の傑作を中心に、その訳業の原点ともいうべき昭和初年の翻訳、コッパード「シルヴァ・サアカス」とホフマン「古城物語」、さらに鍾愛の作家ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義を集成。付録として作家解説や翻訳観が窺えるエッセーを収録。/【目次】〈Ⅰ M・R・ジェイムズ集〉消えた心臓/マグナス伯爵/解説(平井呈一)/〈Ⅱ アルジャーノン・ブラックウッド集〉人形/部屋の主/猫町/片袖/約束/迷いの谷/解説(平井呈一)/〈Ⅲ 初期翻訳〉シルヴァ・サアカス=A・E・コッパード/古城物語=E・T・A・ホフマン/〈Ⅳ ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義〉「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派/小説における超自然の価値/〈付録 エッセー〉マリー・コレリ『復讐(ヴェンデッタ)』あとがき/もう一人のシャーロック・ホームズ/〈東都書房版「世界推理小説大系」月報〉訳者として、訳者のことば、H・M礼讃/〈講談社版「世界推理小説大系」月報〉訳者のことば、翻訳よもやま話、下戸/教師としての小泉八雲/秋成小見/『万霊節の夜』について/解題/「われわれ自身が一個のghostである」=垂野創一郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
平井呈一さんの「幽霊島」に続く怪談翻訳集成です。ジェイムズ、ブラックウッドの各作品のほかにホフマン、ラフカディオ・ハーンについての講義があります。ブラックウッドの作品がかなり楽しめました。「人形」が一番印象に残り私は愛読している「ジョジョのふしぎな冒険」のスタンド使いを思い起こしてしまいました。またさらにハーンの作品集を読み直そうという気にもさせてくれました。それにしても読みでがある本ですね。2023/09/06

まさ☆( ^ω^ )♬

11
創元推理の平井呈一訳もの、前作「幽霊島」に続く第二集です。ジェイムズ、ブラックウッドは面白い。派手で直接的な恐怖を描く現代ホラーと比べるとかなりマイルドな感じですが、まさに幻想怪奇小説といった趣が癖になります。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の講義録やエッセイが思いの外良かった。小泉八雲の怪談集を是非読まなくては、と思いました。2023/08/03

春風

7
近年続々出版・復刊されている、創元推理の平井呈一訳モノ。本作は怪談小説翻訳集成第2弾。〈Ⅰ〉M・R・ジェイムズ集〈Ⅱ〉アルジャーノン・ブラックウッド集〈Ⅲ〉初期翻訳に加え、ハーンの講義の翻訳や平井呈一のエッセイなどを収録した、平井呈一尽くし。入魂の小説翻訳だけでなく、エッセイなども加えた平井呈一×創元推理の集大成的な一冊となっており、分厚さも分量も大満足の一冊。本書を購入する人間は、平井呈一訳の数寄者のみであろうから、高評価も必至。本書が売れればもっとマニアックな一冊が生まれそうなので、売れて欲しい。2023/06/19

timeturner

6
紀田訳で読んでたM・R・ジェイムズは初めのうち違和感があったけど、これはこれで面白い。ブラックウッドは、『ねじの回転』みたいな「人形」、実話風の「部屋の主」、猫が出てくる「猫町」と「片袖」が好みだった。後半のラフカディオ・ハーンの講義録や翻訳に関する話も興味深かった。平井呈一訳のミステリーも読んでみたいな。2023/07/30

あくび虫

5
読み応えのある一冊。どれもゴシックな味わいを耽溺できる良作です。メインはブラックウッドですが、個人的にはジェイムズの方が手際が良くて好み。一方で、今の感覚では散らかり気味のホフマン『古城物語』も印象深い。ドイツもの特有の無骨な不協和音と言いますか…変に癖になります。加えて、もともと古めかしいものが古々しい語り口で綴られていく様には何やら乙な楽しみを感じます。――小泉八雲の怪奇文学講義もなかなか面白かったです。2023/09/15

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