内容説明
時は元禄、大坂では多くの商家が幅をきかせており、なかでも西国三十藩以上の年貢米を大坂へ廻送、
売る権利を持ち莫大な富を得て隆盛を極める大商家こそが、淀屋であった。
その淀屋に借金をする大名があらわれ、参勤交代の折には淀屋に寄って挨拶をするほどの力関係に至る。
幕府も商家がつけ上がるのを座視は出来ず、老中首座の土屋相模守が密命を下し、
目付の中山出雲守を大坂東町奉行の増し役(ましやく)に任じる。
大坂・東町奉行所の同心、山中小鹿(やまなか・ころく)は、上役の筆頭与力・和田山の娘を娶ったものの
妻の不貞を許せず少々手荒に離縁したのを理由に東町奉行所内で孤立していた。
中山出雲守は、気概あるはぐれ者の小鹿に目をつけて言い渡す。
「武家を金の力から守れ」と。小鹿は武士の沽券をかけ、権力を裏で操ることに長けた
上方豪商との争いに巻き込まれていく。
吉川英治文庫賞受賞作家が送る新機軸の書下ろし時代小説待望の続編第二巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
61
大阪東町奉行所同心の山中小鹿の活躍の物語です。小具足術の遣いて山中小鹿は、新任の東町奉行・中山出雲守時春の期待に応えるべく大阪の豪商淀屋の周りを探索し…。東町奉行所の与力、同心のうち中山出雲守に付けられたものは小鹿を含め与力二名、同心三名です。そのうちやる気があるのは小鹿のみです。他の者は、中山出雲守が大阪を離れる時に解任さるので投げやりです。淀屋は、西国大名を中心に年貢米を担保に金を貸し、いまや徳川幕府をしのぐ金を貸しつけています。この当時の利息は、年二割です。2023/06/17
ガットウ
17
★★★3.8点。今回ビッグネームが出てきたけど、着地点が全く見えない。とりあえず次巻を待つしかないか。2023/05/13
XYA
1
シリーズものでも、大抵一冊の中で起承転結話がしっかりまとまってる印象のある作者だが、今作はどうもかなり壮大で入り組んだシリーズなのかもしれない。 少なくとも第二巻は、話の途中で終わったような読後感。一冊の読み物としては、消化不良の感が拭えない。2023/07/01
goodchoice
1
やっぱり上田さんは意地悪話が好きなんだなぁ。2023/06/07
ねこランナー
0
やっと2冊目。2023/12/19