バッド・ランゲージ - 悪い言葉の哲学入門

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バッド・ランゲージ - 悪い言葉の哲学入門

  • ISBN:9784326103102

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内容説明

他者が用いる言葉のダークサイドの力に対抗するためにも、そして自分がダークサイドに陥らないためにも、「悪い言葉」をよく理解しておく必要がある。これまで主流の言語哲学が見過ごしてきた「実社会の言語」の問題に切り込む画期の書。言語哲学が、より開かれたものとなり、真に私たちの哲学になるための一つの大きな契機として。

目次

謝辞


第一章 理想化されたコミュニケーション
 1─1 七つの典型的な理想化
 1─2 手持ちの道具を確認し、実社会に立ち戻る
 1─3 いくつかの但し書き
 1─4 本書の概要

第二章 言葉を非理想的に使う三つの方法
 2─1 逸脱した意図:会話的推意
 2─2 なぜ推意にかかずらうのか
 2─3 逸脱した意味─前提
 2─4 逸脱したスコアボード─文脈のコントロール
 2─5 逸脱的なものから悪いものへ

第三章 真理をぞんざいに扱う
 3─1 偽なことを述べる
 3─2 嘘とミスリード
 3─3 真理を尊重することはすべてのコミュニケーションにとって根本的なのか

第四章 でたらめと根深いでたらめ
 4─1 でたらめ
 4─2 嘘、ミスリード、でたらめからフェイクニュースへ
 4─3 根深いでたらめ(つまり、ナンセンスな、意味不明な言葉)

第五章 概念工学
 5─1 概念工学への導入:私たちは言葉が何を意味するかを気にかける
 5─2 概念工学の主論証(および小史)
 5─3 概念工学者にとってのいくつかの課題

第六章 蔑称
 6─1 導入
 6─2 記述内容説
 6─3 前提説
 6─4 表出説
 6─5 禁止説
 6─6 まとめ

第七章 語彙効果
 7─1 語彙効果を導入する:言葉の非認知的・連想的効果
 7─2 非認知的語彙効果:いくつかの実例
 7─3 公の場での議論や理論的研究における語彙効果の利用
 7─4 語彙効果の一般理論
 7─5 語彙効果はなぜ言語哲学でほとんど無視されてきたのか

第八章 総称文と欠陥のある推論
 8─1 導入:総称文とは何か
 8─2 総称文の振る舞いについてより詳しく
 8─3 いくつかの興味深い実験
 8─4 総称文:意味と認識の交わり
 8─5 要約

第九章 理想的でない言語行為
 9─1 導入
 9─2 分散した聞き手
 9─3 分散した話し手
 9─4 デジタル時代の言語行為

第一〇章 言葉による抑圧と言葉による声の封殺
 10─1 言語行為とは何か:手短な導入
 10─2 言語的抑圧
 10─3 ポルノグラフィーによる言語的抑圧
 10─4 声を封殺すること

第一一章 同意という言語行為
 11─1 同意の典型例:家の訪問、医療処置、同意書、セックス
 11─2 同意に関するいくつかの問い
 11─3 暗黙の同意の不精密さ/曖昧さ
 11─4 欺きは同意を無効にしうるか
 11─5 同意を動的に捉える
 11─6 理想化がどのようにして失敗するのかを示す例としての同意

第一二章 言語の理想理論と非理想理論について考える
 12─1 理想化された理論はばかげているのか
 12─2 予測とガリレイ的理想化
 12─3 理解とミニマリストの理想化
 12─4 理想化によって何を取り除くべきか
 12─5 社会科学における理想理論と非理想理論
 12─6 言語の理想理論と非理想理論

訳者解説
 1.イントロダクション
 2.理論的理想化からの逸脱としての悪い言葉
 3.応用言語哲学と言語哲学のこれから

訳者あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こたろう

3
言語行為に関する本。タイトルほど、badにフォーカスしてるようには感じられなかった。本書を含めて3冊、同著者のシリーズがあるらしく、他の本も読みたくなった。翻訳も読みやすかった。 各章の終わりごとに、内容のまとめや、参考文献が示されているので、より深く知りたいときに、わかりやすい。しかし、ほとんどの参考文献は翻訳されていないので、言語哲学などが専門じゃないとツラい。2023/01/22

kuro

0
言語哲学に入門したく読了。各章に練習問題や発展問題もついていて、誰かと読書会を開いてあれこれ考えるのも楽しい本でした。 同時にミランダフリッカーの認識的不正義とも問題意識が重なる部分も多く、再度この言語哲学の悪い側面も踏まえた上で読み直したいなと思いました。2024/11/27

maki

0
『国語』という教科を習う前に読みたかった。(中高生にはハードルが高いか?)■国語という科目はここでいう理想化1~7を問う問題であり、この本の言葉を借りると「教室の中の会話」「言語の理想理論」の理解を問う問題として出題されていたのだなと感じた。■教室の外では(無視できる?非理想的な?)混乱や摩擦があるわけで問題を解く際にはこれらを考慮しなくてよい。むしろ考慮してはいけなかったというこに気付かされた気がします。■国語の問題だけでなく業務上の文章を読解・論点整理する際も実はこの視点が重要なのだと感じています。2024/08/16

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