ハヤカワ・ミステリ文庫<br> センチメンタル・シカゴ

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ハヤカワ・ミステリ文庫
センチメンタル・シカゴ

  • ISBN:9784150753535

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内容説明

修道院の会計係をしているおばが株券偽造の疑いをかけられた。ただ一人の親族の潔白を晴らすため調査を始めたヴィクに、何者かが圧力をかける。硫酸、友人の死、そしてアパートの火災――事件の背後の巨大な陰謀に孤独な戦いを挑む女探偵ヴィクと、やがて明かされる母親にまつわる衝撃の事実。話題の第三作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

88
V.I.シリーズ第3弾。亡き母を苛めヴィク自身にも冷たく、交流の全く無かった大叔母から頼みがあると連絡が入る。寒さ厳しいシカゴへ赴いた彼女は、叔母が勤めていた修道院の経理で、金庫の株券が偽造品と代えられた事件にぶつかる。シリーズ毎のテーマは今回証券業界であり、いつもながら謎の設定とテーマに対する真摯な取材は、たいへん素晴らしい。硫酸をかけられ家に放火され、それでも前を向く姿勢は魅力的。しかしどこにでも突っ掛かり、些細な事にも腹をたて、オフィスに盗みに入り、警察と連係すらしないのでは只の面倒な奴でしかない。2019/04/03

只三郎

33
シリーズ三作目。 株券偽造、証券ブローカーの死の真相を追う探偵ウォーショースキー。そんな彼女の身にも危険が迫る。 心身共にボロボロになりながらも、諦めずに真相を追う主人公の姿は凄く印象に残った。 最後の頁に載っているように、その姿は狩りの女神と言っても過言ではない。2017/04/10

寧々子

15
修道会でも必要とあらば神父相手に堂々と批判を言ったり、母親を侮辱する叔母に手を上げたりと、相変わらず強きな生き方を貫いているヴィクですが、タフな部分だけではなく弱さもちゃんと描かれているのがいいな。 ヴィクのことを可愛い姪と呼ぶ親友のロティの叔父であるステファンは、高齢でありながら冒険心がありお茶目な魅力的な人だったので、また登場して欲しいなぁと思った♪ 偽造株券事件の真相はヴィクの破天荒な調査方法がなければ解決できなかった事件だと思うけど、収めかたはちょっと腑に落ちないというか、好きになれなかった。2017/01/29

練りようかん

12
第三作。偽造株券事件の容疑をかけられたおば。器じゃない。よく知るだけに無実を確信。憎き相手だけど調査に乗り出す動機は複雑で、心情的に引き込まれた。だが災難は続々と、本当にそこまで遭う?ってぐらいに見舞われるのが真っ青だし面白くもあるのだ。乗っ取りと教会関係者の私欲は男たちのゲームのような世界を思わせるのだけど、主人公にとって難敵なのは女。罵るおばや殺された友人母の蔑視には言い返すのがせいぜい。“タフでなければ生きていけない”女に弱い私立探偵だと、マーロウの名ゼリフが別の意味を持って過った。次も期待。2024/12/14

Masa

11
読了。どうもスロースタートな感じで、「あ、こりゃ新作越えないな」とか思っていたのですが、ページの厚みがちょうど半分くらいになったあたりから止まらなくなりました。これが探偵だよなぁと思わせてくれるV・Iが好きです。「前ではずすのよ」とか言っちゃうV・Iが大好きです。しかし毎度しっかり調査と勉強をしてから書いているんだろうなぁと思わせるサラ・パレツキーには本当に脱帽です。V・Iがプロなのも頷けます。2019/02/23

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