内容説明
戦後を代表する知識人である丸山眞男と加藤周一は、いかにしてその思想を育んだのか? ともに青少年期に戦争を体験し、その時代の空気の中で「日本人のものの考え方とはいかなるものか」という問題意識を深めてきた。当時の政治や文化の動向を丹念に追い、その思索や行動の跡を示すノートやメモ等の豊富な資料とともに、出生から敗戦まで二人の自己形成過程を比較対照し、20世紀の日本に生まれた知的風土の根源に迫る。
目次
まえがき 和田博文(東京女子大学・丸山眞男記念比較思想研究センター長)/プロローグ──丸山眞男と加藤周一、その共通と相違/第1章 家族/1 流動性と多様性【丸山】/2 科学と詩歌【加藤】/補章1 関東大震災/1 関東大震災とその影響/2 記述による対象化【丸山】/3 母の背中【加藤】/第2章 尋常小学校時代/1 尋常小学校/2 山の手とスラムのはざまで【丸山】/3 自分の位置を発見【加藤】/第3章 中学校時代/1 旧制中学校/2 非模範生【丸山】/3 非優等生の自覚【加藤】/補章2 満洲事変と二・二六事件/1 一九三〇年代前半の状況/2 兄との激論【丸山】/3 「政治は怖い」【加藤】/第4章 高等学校時代/1 旧制高等学校/2 「国体」との直面【丸山】/3 言挙げする少数派【加藤】/第5章 大学時代/1 帝国大学/2 政治学との出会い【丸山】/3 心の支え【加藤】/補章3 一九四一年一二月八日──太平洋戦争開戦の日/1 一九三〇年代後半の状況/2 南原繁のことば【丸山】/3 弾丸と飢えへの恐れ【加藤】/第6章 大学卒業後/1 「近代」の再発見【丸山】/2 いのちの灯【加藤】/第7章 敗戦の体験/1 真珠湾攻撃からポツダム宣言へ/2 「開かれた社会」への出発【丸山】/3 敗戦と広島【加藤】/エピローグ/1 変革のための認識【丸山】/2 『日本文学史序説』への道【加藤】/あとがき 加國尚志(立命館大学・加藤周一現代思想研究センター長)/年表 作成:山辺春彦+杉山亮+鷲巣力+半田侑子/参考文献
感想・レビュー
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ブルーツ・リー
ご〜ちゃん