キッチンからカーネギー・ホールへ~エセル・スタークとモントリオール女性交響楽団~

個数:1
紙書籍版価格
¥2,530
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

キッチンからカーネギー・ホールへ~エセル・スタークとモントリオール女性交響楽団~

  • ISBN:9784636102710

ファイル: /

内容説明

【推薦!】

「思いを貫く力、音楽の衝動…
いつの日か人類があらゆる壁のない世界に生きるための大きな一歩が、ここに。」――三ツ橋敬子さん(指揮者)

「おんぼろの楽器を手にしたとき、彼女たちはまだ気づいていなかった。
それが世界を変える運動であることに。」――かげはら史帆さん(文筆家)


偏見と差別が支配する社会で、性別・人種・階級の壁を打ち破った女性たちの記録

新聞各紙(毎日新聞・日経新聞ほか)で絶賛!


 音楽界におけるこの女性運動がきっかけとなって世の中にも変化が訪れ、来るべき世代のための新たな社会が形づくられていった。従来は男性のものだった交響楽団の基盤を揺さぶり、あらゆる職業の女性たちに平等の機会への扉を開け放ったことで、エセル・スタークとマッジ・ボウエンは社会全般における女性の地位も向上させたのである。
 だが、駆け出しの音楽家たちの楽団を描いたこの物語、カナダの音楽に革命を起こしたモントリオールの弱き者たちの物語は、突き詰めれば、さまざまな国籍、民族、宗教、社会階層、年齢の人々をひとつに結びつけるものについての物語だと言える。境界を乗り越え、偏見を打ち破り、コミュニティを築く音楽の力の物語。また、懸命な努力と決意にユーモアと寛大さがたっぷりと加われば夢はかなえられる、ということを改めて思い出させてくれる物語でもあるのだ。(本文より)

目次

プロローグ  平等を求める闘い

第1章 マエストラの生い立ち

第2章 女性の魅力が輝くとき

第3章 方向転換

第4章 抑えがたい力と動かしがたいものとの出会い

第5章 景気づけ

第6章 クレッシェンド

第7章 一番乗りの凱歌

第8章 発展に伴う痛み

第9章 デクレッシェンド

第10章 カーテンコール

第11章 受け継がれていくもの

著者あとがき
訳者あとがき
原註
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobuko Hashimoto

30
オーケストラが女人禁制の「男性限定クラブ」だった20世紀前半。女性が音楽をたしなみとして習うことは奨励されていたものの、人前で演奏するのは内輪の集まりだけで、職業にするなどとんでもないことだった。そんな時代に、少し楽譜が読めるだけでもOKといった条件で集まってきた女性だけのオーケストラがカナダのモントリオールで結成される。勇気づけられ、心躍る一冊!関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=2022212023/03/29

星落秋風五丈原

26
オーケストラに女性演奏家はいるが、どちらかというと楽器に偏りがある。圧倒的に女性が多いのはハープ。打楽器や大型金管楽器の女性演奏者の数は少ない。一つは肺活量の問題もある。そしてフルートを奏でている女性奏者の方が美しく見える。そのような見栄えで昔の女性達は、自分の演奏したい楽器を選ぶこともできなかった。ましてや楽団を指揮する指揮者に女性がなるなど、考えて見もしなかった時代だ。ガラスの天井というわけではないが、現在でも女性指揮者は数えるほどしかいない。感情をあらわにする女性指揮者を、誰も見たくなかったのだ。2022/12/16

コニコ@共楽

25
新聞の書評で取り上げられていて興味を持った。いまでもめずらしい女性の指揮者、カナダの地で果敢に挑戦し続けた指揮者と交響楽団員たちがいたことは、天晴としか言いようがないし、大いなる尊敬の念を抱く。先頭に立ったエセル・スタークの偉大さも凄まじいが、何より、音楽が好きで家事や子育てをしながら、寸暇を惜しんで練習に励んだ団員たちの努力を褒め称えたい。エセルがユダヤ人で、自身も差別を受けたせいか、オケのスタート時点での入団条件は、女性という一点のみ。人種、宗教、貧富の差なども問わずにいたということが、先進的だった。2023/08/31

tekka

4
「男女混成のオーケストラが成功しても、その功績は男性のものにされてしまうでしょう。女性たちが、反対意見は間違っていると証明したいなら、私たちは女性として、自分たちだけの力で証明しなければなりません。」2023/03/21

takao

2
モントリオール女性交響楽団のはなし2023/02/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20328894
  • ご注意事項

最近チェックした商品