真珠とダイヤモンド 上

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真珠とダイヤモンド 上

  • 著者名:桐野夏生
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 毎日新聞出版(2023/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620108605

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内容説明

桐野夏生が描く「バブル」
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!

1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

528
ものすごいリーダビリティであっという間に上巻読了。面白いからスルスル読めたというのも確かにあるが、バブル期の狂騒を題材にした他作品と比較して"重さ"がないことも要因。個々のエピソードの練り込みが足りないのか、主要人物の欲への渇望みたいなものが、上滑りして軽く感じる。虚実入り交じった知謀もなく、この時代の話にしては、まだ動いている金額も小さい方。佳那も水矢子も望月も、染まりきらない中途半端さがあり、それも理由。特に佳那は、物語が進行するにつれ、どんどん魅力が薄れてくる。2023/05/09

ヴェネツィア

515
2023年の作品。3人の視点人物を通して描かれるバブル期の証券業界とその周辺。上巻の主な舞台は、業界では準大手の萬三証券。熊本県の無名四大出身の望月、福岡県田川市の短大出の佳那、福岡県の進学校ではあったが高卒の水矢子。それぞれの思惑を秘めて、2年後には東京へとの望みを持っている。中では水矢子は万事に地味で、バブルからは距離がありそうだ。他の2人は狂奔のバブルに立ち向かって行く。桐野夏生の文体は、スピード感に溢れバブルの波に乗ってゆく。面白いのだが、このところの桐野作品に比べると軽さは否めない。2025/02/21

starbro

442
桐野 夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 主人公達は、私の若干上の世代なので、バブル当時を懐かしく、上巻を一気読みでした。まだタイトルの意味は解りません。 続いて下巻へ。トータルの感想は下巻読了後に。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-603.html2023/03/05

青乃108号

405
桐野夏生の本は十年以上前に何冊か読んでいるのだけど、この度久し振りに本書を読んでびっくりした。こんなに面白い作家だったかなあ。兎に角、読み手を物語に引きずり込む力が物凄く、時間を忘れて一切の雑念も持たずに読み耽ってしまう。バブル期さなかの証券会社を舞台に、同期3人の若者を取り込む狂騒の世界。これから下巻、どんな展開が繰り広げられるのか、楽しみで仕方ない。今晩も遅くまで読み耽ってしまうだろうな、明日も仕事なんだけど。2024/04/06

修一朗

279
バブル経済の狂騒と絶頂,転落がたっぷり詰まったお話。望月なんて全くもって自分と同世代なんだな。当時の同級生たちは当理系文系関係なしに金融に就職していた。同級生たちは山〇証券,日本〇業銀行,三〇銀行,にこぞって行ったのだ。全部なくなったけども。自分はその狂騒をはたから見ていたクチ。土地も株も値上がりしていくばかりで持たざるこっち側としては何が好景気だと思っていた。マハラジャなるものに入ってみようとあの手この手で入場しようとしたなぁ。別にいい思い出でもない。下巻へ2024/05/05

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