小学館文庫<br> 警部ヴィスティング 疑念

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小学館文庫
警部ヴィスティング 疑念

  • ISBN:9784094070927

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内容説明

大ヒット未解決四部作シリーズ、最高傑作!

1999年8月、ノルウェー南部の小都市ラルヴィクの郊外で、十二歳の少女が絞殺体で発見されるという事件が現実に発生した。
その捜査に当たったのが、当時刑事をしていた本書の作者だった。
二年後に二十代の男が逮捕されたが証拠不十分で無罪となり、以来この事件は「膿んで癒えることのない心の傷」となっていたという。

北欧ミステリの名だたる賞を総なめにしている〈ヴィスティング〉シリーズ。
作者がこの事件を下敷きにして、精魂を込めて執筆したコールドケース四部作の最終作にして最高傑作が、本作である。

ある朝、ヴィスティングの自宅の郵便箱に差出人不明の封書が届く。中にあったのは、12―1569/99と数字だけが書かれた一枚の紙。数字は事件番号で、隣接する警察署の管内で1999年に起きた1569号事件を意味していた。
この年の7月、十七歳のトーネ・ヴァーテランが行方不明となり、二日後に絞殺体で発見された。トーネの体内から検出された精液のDNA型が元恋人のもの一致し、男は逮捕され禁固十七年の刑を受けていた。
匿名の手紙は冤罪を示唆しているのか、何を訴えたいのか、そしてなぜ自分に届けられたのか‥‥。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

117
お気に入りのノルウェイ警察ミステリ・シリーズ。今作も面白さを堪能した。突飛ではない手堅さが魅力的で、不明点を一つ一つ潰していきながらじっくりと事件の構図を組み上げていくのが良い。今回は過去の事件が冤罪だった可能性を示唆するものがヴィスティングの元に届く。過去の捜査に疑念を抱いた彼は事実を洗い直し始める。確固たる証拠とは何か。先入観に囚われていないか。並行して現在の事件でも冤罪となり得ることを肌で感じた彼はより洞察力を鋭くさせる。少しばかり老いを見せながらもヴィスティングの本領が大いに発揮された作品だった。2023/05/17

ナミのママ

68
未解決事件4部作の最終作品(シリーズ15作目)。休暇中のヴィスティングの自宅に届いた差出人不明の封書には1999年の殺人事件番号が書かれていた。次に届いたのは2001年の事件番号。どちらも有罪判決が出て犯人は確定し刑も執行されているのに誰が?何故に?今?中盤までどんどん謎が深まり先が見えない。近々の最新科学捜査を用いながらも、ヴィスティングの地道な捜査はかわらず安心感がある。私生活では孫のアマリエが可愛い年頃になるのと対象に、ヴィスティングの刑事人生の先が見えてきたのが少し寂しい。2023/03/15

stobe1904

49
【警部ヴィスティングシリーズ】休暇中のヴィスティングの自宅に差出人不明の手紙が届き、そこには過去の事件番号が記されていおり、気がかりなヴィスティングはそれとなく事件資料を取り寄せるが…。派手なアクションや二転三転するような展開はないが、読まずにはいられないシリーズ。翻訳が続くことをファンとして切に願う。★★★★★2023/04/10

空猫

35
今回も面白かった!17年前に、15年前に解決したはずの強姦殺人、そして現在進行中の主婦失踪&殺人、、、と事件は絡み合い、加えてヴィスティングの娘と孫の状況も加味され、とても複雑な物語ながら、淡々と地道に捜査は進められる。どこに向かっているのか分からず、彼ら同様ずっと振り回されるが、それがとても心地良く先が気になって仕方がなかった。コールドケース四部作との事だが、それだけを邦訳したからこんな飛び飛びなのか?最初から順番に読みたいなー。2024/01/02

M H

32
コールドケース四部作の最終作。ヴィスティングのもとに差出人不明の封書が届く。そこには過去の事件の数字番号が。1999年に起きたこの殺人事件は犯人が逮捕され、有罪になっているが封書の意図は。加齢を感じさせる描写はあってもヴィスティングの地道で真摯な捜査と人柄は変わらない。とても良い意味で安定した読み味。ちなみに娘のリーネの出番は少ない。少ないんだけど、なんだかあたしゃ心配ですわ。静かな幕切れもこのシリーズらしくてホッとするもの。続きも出てほしいが果たして。2023/03/23

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