ちくま学芸文庫<br> 算数・数学24の真珠

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ちくま学芸文庫
算数・数学24の真珠

  • 著者名:野崎昭弘【著者】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 筑摩書房(2023/02発売)
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  • ISBN:9784480511539

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内容説明

算数・数学には、海の宝石“真珠”にも喩えられるべき“基本中の基本”である考え方や概念がある。ゼロ、点と線、円周率、プラスとマイナス、ピタゴラスの定理、指数と対数、無限……。算数・数学を専門としない人や中学生、高校生にもその魅力・重要性がわかるよう、ベーシックな考え方を問い直し、ていねいに伝える数学入門書。やわらかい語り口と明快な論理で定評のある著者が贈る、数学史を彩る光り輝く24個の“真珠”。

目次

第I部 数と図形
第1章 ゼロの誕生
1.1 ゼロのはじまり
1.2 ゼロの効用
1.3 ゼロの性質
1.4 算用数字とアラビア数字
[補足]
1. 記号“0”の起源
2. 中国・日本のゼロ(零)
3. 自然数の表記法
第2章 円周率 π
2.1 円と円周率
2.2 円周率の計算競争
2.3 円周率と教育
[補足]
1. 円周率おぼえ歌
2. π についての冗談
第3章 わからんものにはエックス!
3.1 わからんものにはエックス!
3.2 文字式の歴史
3.3 文字式の威力
[補足]
1. 古代中国の計算技術
2. 文字式の歴史,もう少し
第4章 七五三は素数です
4.1 自然数と割り算
4.2 素数
4.3 素数の分布
[補足]
1. 小学生にもわかるパズル
2. 偶数の完全数について
第5章 プラスとマイナス
5.1 プラスとマイナス
5.2 借金かける借金がどうしてプラスなの???
5.3 数直線と符号規則
[補足]
1. 0より小さいって,どういうこと?
2. 2次方程式・3次方程式のタイプ
第6章 大きさのない点,幅のない線
6.1 大きさのない点,幅のない線
6.2 ギリシャの奇蹟
6.3 ギリシャ人の悩み
[補足]
1. ユークリッドの『原論』のスタイル
2. ロバの橋
第7章 ピタゴラスの定理
7.1 ピタゴラスの定理
7.2 ピタゴラスの定理の証明
7.3 ピタゴラス数について
[補足]
1. 用語「三平方の定理」の由来
2. ピタゴラスの定理の超々かんたん証明法
第8章 サイン・コサイン,何になる
8.1 サイン・コサイン,何になる
8.2 波とつながるサイン・コサイン
[補足]
1. 三角関数の記号の特殊性
2. 球面上の三角法と,伊能忠敬
第II部 アラカルト
第9章 指数と対数
9.1 指数と対数
9.2 対数の歴史
9.3 指数の応用
[補足]
1. 日本人と掛け算
2. ネーピアの悩みと工夫
3. ネーピアの棒
第10章 借金の恐ろしさと,名前のない真珠e
10.1 借金の恐ろしさ
10.2 究極の複利計算
10.3 真珠 e の応用
[補足]
1. 定数 e の計算法
2. モンモールの問題
第11章 確率の考え
11.1 モンティ・ホールのジレンマ
11.2 確率とは何か
11.3 確率の応用
[補足]
1. 確率の実験
2. シンプソンのパラドックス
第12章 生産計画も画像処理も,まとめて面倒をみる“行列”
12.1 生産計画
12.2 画像処理とコンピュータ
[補足]
1. 正比例は数学の基本
2. 運動とベクトル
3. 行列とベクトル
第13章 関数の考え
13.1 いろいろな対応
13.2 関数をめぐる,語法と記法
13.3 関数の応用
[補足]
1. 関数概念の歴史
2. 関数値が急速に大きくなる関数
第14章 集合の考え
14.1 集合とは
14.2 集合の記法とその応用
[補足]
1. 集合の先駆け
2. いわゆるヴェン図について
第15章 公理系
15.1 公理とは何か
15.2 新しい公理系
15.3 確率論の公理系
[補足]
1. 数学の危機と数学者の対応
2. メタ数学と形式主義
第16章 数学史上最大の真珠:複素数
16.1 マイナスから虚数へ
16.2 複素数の効用
[補足]
1. 複素数の平面表示
2. 1の m 乗根
3. 複素数の応用
第III部 無限と数学
第17章 無限
17.1 無限に広い世界
17.2 点の大きさ,瞬間の幅
17.3 数の無限
17.4 実無限を扱う
[補足]
1. 1対1の対応と可算集合
2. 超越数
第18章 無限を飼いならす
18.1 数列と級数
18.2 無限級数
18.3 無限和の理論
[補足]
1. ある一定値 α に「いくらでも近づく(収束する)」ということ
2. ベキ級数
第19章 無限小数を受け入れる
19.1 分数と小数
19.2 無限小数とは何か
19.3 無限小数の威力
[補足]
1. 小数の歴史
2. 実数誕生の背景
第20章 座標の考え
20.1 位置を数で表す
20.2 座標の考え
20.3 座標系の誕生とその応用
[補足]
1. 座標の考えの始まり
2. デカルトは何をしたのか
第21章 面積計算の極意は「分けて,足す」
21.1 面積を求める
21.2 曲線図形の面積
21.3 体積の計算
[補足]
1. 計算,好き?嫌い?
2. アルキメデスの面積計算
第22章 関数の積分:大粒,小粒の真珠たち
22.1 グラフと面積
22.2 積分とコンピュータ:意外な落とし穴
[補足]
1. 積分の記号
2. 積分の数値計算
第23章 速度と微分
23.1 速度の謎
23.2 瞬間速度の謎
23.3 関数の微分
[補足]
1. 微積分学の基本定理
2. 高校教育における積分
第24章 微分の応用:ニュートン力学と最小2乗法
24.1 関数と瞬間変化率
24.2 微分の応用
24.3 最大・最小を求める
[補足]
1. ベクトルと微分
2. ニュートン力学の運動法則
文庫版解説 こころ優しい数楽者 (亀井哲治郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

A.OKADA

0
野崎昭弘さんの本は見かけたら買っちゃいますよね。数学上の大切な概念を24の章に分けて解説。小中学校で算数・数学を教える人を読者として想定しているため、文章での解説に加えて補足で数式による解説もあり。 一般向けの読み物としても手頃で良いです。2023/03/30

Steppenwolf

0
G私は著者名を見て反射的に購入してしまった.しかし帯に「数学なんて役に立つの?」と思っているあなたへ,書いてある.私はこんなこと思っていないから買う必要なかったし,内容的にもほぼ知っている,わかっている類だった.そもそも初等教育者向けに書かれたとのことである.小学校の先生になりたいと思って教育学部に志望する受験生の中で数学大好き,理科大好きという人は稀だと思うし,実際元小学校教諭という人たちもこれらの科目には苦手意識を持っているとしか思えない.そんな人達こそ本書を手にとってほしいところである.2022/10/25

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