師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

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師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

  • 著者名:井上理津子
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 辰巳出版ebooks(2023/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784777828258

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内容説明

俺の背中を見て覚えろ……ではない
関係が紡ぐ16のライフストーリー。

若き弟子はいかにして職人の世界に飛び込み、
師匠はどのように“技術”と“伝統”を伝えたのか

【内容】
働き方が多様化している現在、「好きなことを極める」「会社員にはならずに生きる」という要素に魅力を感じて、「職人」という存在にいま改めて注目が集まっています。
また、職人の世界における「師弟関係」も、「親方の背中を見て覚えろ」から「背中も見せるが、口でも教える。理論も説いて教える」というように時代に即して変化してきているのです。

本書では、一子相伝でなく、血縁以外に門戸を開いている師匠と弟子の“リアル”な関係を、16組32名に取材し丹念に描き出していきます。
長年の作業で身に付けた確固たる思想や、引き継いでいくべき金言がそれぞれに存在し、日本美術や工芸に興味がある人はもちろん、「働くとは何か?」と考えている人にも訴えかける一冊となっています。

【本書で紹介している職人たち】
◆庭師
◆釜師
◆仏師
◆染織家
◆左官
◆刀匠
◆江戸切子職人
◆文化財修理装コウ師
◆江戸小紋染職人
◆宮大工
◆江戸木版画彫師
◆洋傘職人
◆英国靴職人
◆硯職人
◆宮絵師
◆茅葺き職人

【著者プロフィール】
井上理津子(いのうえ・りつこ)
日本文藝家協会会員。1955年、奈良市生まれ。ライター。
大阪を拠点に人物ルポ、旅、酒場などをテーマに取材・執筆をつづけ、2010年に東京に移住。
『さいごの色街 飛田』(筑摩書房のちに新潮文庫)『葬送の仕事師たち』(新潮社)といった、現代社会における性や死をテーマに取り組んだノンフィクション作品を次々と発表し話題となる。
近著に『ぶらり大阪 味な店めぐり』(産業編集センター)『絶滅危惧個人商店』(筑摩書房)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
庭師/染織家/仏師/刀匠/英国靴職人/硯職人など16組の師弟が登場する。師匠の多くが「俺の背中を見て覚えろ」「理屈はいらんのや」と鍛えられたのに、弟子には「コツを口で伝える」などの具体的な指南を心掛けておられることが印象に残る。名人とは、頑なに自らの体験に拘ることなく、時代の変化に適応した指導ができる人なんだろう。修行中は「無給が当たり前」にも驚く。それを承知でこの世界に飛び込んでくる若者たちは、師匠の技と無償の愛とが、何者にも代えがたい給料だとわかっている。「職人」という世界の気高さが心に染みる一冊。2023/04/22

けんとまん1007

55
職人という言葉の響きには、独特なものがある。自分自身の親戚には、職人といわれる人が多いほうだと思う。そのこともあってか、職人と言われる方々への特別感は、比較的、低いほうだと思う。それでも、ここに描かれている師弟関係(親方と弟子)には、好ましいものを感じる。そこには、人と人との空間があること、思いがあることからくるのだと思う。2023/07/06

たまきら

50
後継者がいないーそんな言葉をあちこちで聞きますが、読み友さんのおかげで師弟関係を紹介している本に出会うことが出来ました。コロナ禍にこのような取材を可能にした制作現場の人たちの情熱にまずは頭が下がります。この国は決して職人が住みやすい国ではありません。けれども同時に彼らの技を取り上げることもできません。30年後にまた日本の技術がどのように変化しているか…良い方向であることを祈ってやみません。2023/06/30

Roko

33
最近の職人さんの師弟関係は随分変わってきたのです。お給料が安いのでバイトをしているという人はいますけど、この本に登場する弟子のみなさんは、それを苦にしない人ばかりです。なぜなら、みなさん良い師匠についているからなのです。最初は掃除からというのも、そこから学ぶことがあるということに気づける人は残っていけます。仏師、左官、文化財修理、宮大工、洋傘職人、硯職人、茅葺き職人など、そもそも、どうしてその職業に魅力を感じたのか、どうやって師匠を探したのかなど、実に興味深いお話が続きます。2023/07/05

tom

25
お仕事小説は好きだ(青木祐子、千草茜、三浦しをんなどなど、直近では山本幸久も)。その関連で職人仕事のルポ本をときどき手にする。でも、たいてい間抜け本。職人仕事の表面だけをなぞって「いい仕事してますねえ」なんてコメントで終わる。この本はその延長線かも思いながら手に取った。でも、拾いものだった。読み終えて、どうして?と考えた。この本は、弟子に注目している。庭師、仏師、左官、切子、靴職人、硯職人、みなさん熱い。仕事に熱い。これが良いのだと思ったのでした。この類の本としては、出色の面白さでした。2023/06/02

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