内容説明
ドラキュラが支配をふるう世界を
マニアックな遊びを満載して物語った
《ドラキュラ紀元》完全版シリーズ第4弾!(上下巻)
時はいよいよ90年代。
ジョニー・アルカードのゆく末は?
そしてジュヌヴィエーヴ、ケイト、ペネロピのヴァンパイア三人娘は、
この時代をどう生きるのか――
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本書収録の全12話を俯瞰してみたとき、
浮かびあがってくる裏テーマともいうべきものがある。
それが、「われはドラキュラ」だ。
シリーズ第1巻『ドラキュラ紀元一八八八』最後の登場シーンにおいて、
ドラキュラは、「われはドラキュラなり」と名のりをあげた。
本書においては、プロローグで、
ドラキュラはふたたび少年にむかって同じ台詞を告げている。
そしてその後も、ドラキュラ本人によるものではないけれども、
さまざま場面でこの台詞がくり返し使われている。
最後にこの言葉を口にする者は――。
そしてその場面は――。
(訳者あとがきより)
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裏設定を綴った補遺2編も収録!
電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
10
ドラキュラ復活!ドラキュラ復活!ドラキュラ復活!…は良いんだけど、終わってねー。終盤は1990年代だし、真の決着はもうなさそう。作者はじめヴァンパイアフリークがいる限り奴は不滅、みたいな締め方。現実の作家に映画監督に俳優、極めつけに無数の歌手(米国の音楽事情なんて知らねーよ! しかも不老の吸血鬼なので登場人物事典ページは増えていくばかり)、創作上の架空キャラが雪崩を起こしていてゲップが出そう。でも知っている事件、人物、キャラが絡んでいる中短編は、相変わらず最高におもしろい。2021/11/09
辺野錠
2
下巻は本格的にドラキュラ復活編という趣で物語として読むなら本当にこれから先どうなんの!?と思う終わり方であった。解説で次回作も紹介されてるしとても気になる。この歴史観だと月姫や吸血鬼すぐ死ぬや二丁目路地裏探偵奇譚などのメイドインジャパンの吸血鬼ものはどうなるんだろうかとは思わなくもない。2022/01/11
ちり
1
翻訳者の鍛治さん、いつもにも増して今回は大変だったと思います。いつも本当にありがとうございます。序盤、今回の書きぶり好き放題すぎてウケる(笑)とか思ってたけど、読み進めるにつれ訳註(ときどき作者へのつっこみ )の多さに青ざめていくなどした。そろそろ各国の翻訳者がキレてキム・ニューマンを暗殺しようとする二次創作が書けそう。2021/10/13