内容説明
MI6の中年情報部員ナットは引退を前にロシア関連のお荷物部署に左遷される。進退をかけて事案にあたる彼を待ち受ける罠とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kajitt22
22
あのジョン・ル・カレがプーチンをそしてトランプを明確に否定している。東西ドイツを分つベルリンの壁の印象が強烈だった著者が、現代の米国・ロシア・英国を舞台にして描いたスパイ小説。つい数年前の英国のEU離脱を背景に、国家に忠誠であろうとした情報部員たちの努力の最後は、意外にも苦いハッピーエンドで、読後感も良かった。それにしても二つの国家の嘘にまみれた二人はなんとかしてほしいものだ。2023/04/15
鐵太郎
18
2020年12月に亡くなったスパイ小説の重鎮、ジョン・ル・カレの、最後から二番目の著作。ドナルド・トランプがアメリカ・ファーストで浅薄なナショナリズムを押し進め、英国がブレグジット(欧州連合離脱)で揺れていた時代を背景に描かれる、英国の対欧州外交の根幹を揺るがしかねない謀略の物語。バドミントンに興ずる47歳のかつての英国スパイの元締めが出会った青年とは何者だったのか。彼と彼を取り巻くたくさんの人々を細やかに描きながら、ル・カレの筆は見事にあの世界とその中で生きる人々を解説しています。見事です。2023/07/31
カツイチ
7
ル・カレは初めて読みました。スパイ物興味ないもんで。派手なアクションが売りのスパイ映画とはまるで違い、面白かった。実は途中まで行きつく先が読めなくて、アルカジーとプラハの郊外で会ったときなんか意味が分かんなくて、読むのやめようかと。でも、エドがどうなるのか見届けようと。だから、えー!となったところから一気読み。読んでよかった。最後にスッキリした。満足して読み終えた。2023/09/26
nabe
3
ルカレらしい細かな伏線には中々気付くことができず、また、近いうちに読み直してみようと思う。2023/10/09
mameta_vista
3
★★★★☆2023/06/18