内容説明
人類が初めて開発に成功した、くじら座τ星の第五惑星ディープブルー。そこに暮らし、恒星間ネットワークの基幹会社、通称〈銀河ネット〉に勤める惑星記録員のミランダは、宇宙酔いを克服できず地上勤務を続けていた。ある日、冷凍睡眠を繰り返しながら宇宙を渡る恒星記録員のメイアが250年ぶりにディープブルーを訪れることになり、ミランダはそのアテンドを命じられる。宇宙生まれの第一世代であり、地球年齢で300歳を超えるメイアは、ある種伝説の存在だ。ミランダは案内の事前準備として、メイアの人生を辿り始める――〈星のパイロット〉と同じ宇宙を舞台に描く新シリーズ開幕。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuri
18
上司からの借本。星のパイロットの続編という事でしたが、設定とレポートに終始してる感じがしました。とはいえ、マリオやスゥにも会えて嬉しかったです。この先の展開も楽しみ。2023/05/28
鐵太郎
17
ハードな宇宙SFの作家である笹本祐一氏の初挑戦。「星のパイロット」というシリーズの続編にあたるらしいのだけど、これが初読みなので何もわからない状態であります。(笑) この本を一読した限りでは、これは「超光速推進のない系外宇宙開発」を、ハードな材料を積み上げて描こうとした、そのほんの序盤ですね。にもかかわらず、面白い。続巻に期待です。2023/07/26
へ~ジック
4
記録は時間を超える。時間を掛ければ空間も超える。この作品、メイア・シーンなる人物が書き記したインタビュー録を収めた物。子供の頃に古典小説で見た形式と思う。なんとなく新書を読んだ気分になった。2023/08/05
ミゼ
3
令和の時代にこんな純粋なSFが読めるとは、とても幸せ。著者はあとがきで、スペースオペラをはじめてみました、と述べているが、いやいやこれぞ本格SF・サイエンスフィクションだと思う。現実には、宇宙への進出はまだまだ遠いが、AI・シンギュラリティは近いようで、そのあたりも反映されてくるのか…完結まで追い続けたいものだ。この作品も星雲賞かな。2023/04/23
アオイ模型店
3
「星のパイロットの続編」と聞いた時、マリオとスゥやその子ども達が恒星間宇宙船を建造する話を想像していたのだけど、当たらずも遠からず、しかし予想外。 超光速や重力制御といった飛躍無しに、現実の延長線の範囲で他の恒星系への道を切り開いていく過程は読んでいてワクワクする。 この感覚は、航空宇宙軍や辺境パトロールシリーズを読んだ時に近いかな? そして、未来の世界でも通常の3倍な赤いロリコンは人気者なようでなにより(苦笑2023/04/11