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内容説明
2014年、カメルーン人男性が医師の診察を受けられず、東日本入管センター内で死亡。2018年、同センターでインド人男性が自殺。翌年、大村入管ではハンストによりナイジェリア人男性が餓死した。いったい、入管施設で何が起きているのか。東京五輪や外国人労働者の受け入れ拡大に合わせて、在留資格のない外国人の取り締まりが強化され、次々に入管施設に収容されている。2019年に出入国在留管理庁へと格上げされ、ますます大きな権力を振るう「入管」の実態に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
93
日本の政府機関「入管」で行われている収容者への暴力、暴言、懲罰、監禁、医療放置など人権侵害の実態と、国の難民認定をめぐる問題をルポした本。名古屋入管で医療放置によって起きたスリランカ人女性の死亡事案は起こるべきして起きたものであることが、この本を読むとわかる。「入管」は保護というよりも拘束を行う。そこでは、人権と尊厳も守られない。オーバーステイで在留資格を失った外国人のなかには、出身国に帰れない事情を抱えた難民申請者もいる。難民鎖国ニッポンで、入管法改正がどこに向かおうとしているのか、注視しておきたい。2021/05/14
ちゅんさん
58
最近ニュースでよく耳にする“入管”についてほとんど知識が無かったので手にとった。読んでて何度もため息がもれ首を振ってしまった。ひどい酷すぎる。日本は難民条約を批准しているのに保護を求める外国人を追い返し、申請さえ受け付けようとしない。何か事が起こっても返ってくる説明は“ガイドラインを発表しているが、基準ではない”とか“総合的に判断した結果です”だ。それがまかり通る場所がこの国にある。これを知ると絶望的な気持ちになるが、絶望のまま終わらせてはいけない。2021/08/27
さぜん
53
佐々涼子氏の「ボーダー」読了後手に取った。移住連の安藤氏の講義と並行して読む。これが自国の現状かと呆れると同時に自分も含めて関心の低さに憤る。日本の経済を底支えした外国人労働者達を長居はするなと追い返す非常さ。特定技能研修と立派な名目をつけた官僚や政治家はさぞ優秀なのだろう。人権なぞ頭にないのは治安維持法の頃から全く変わらない。「おもてなし」なんてどの口が言う。そしてなぜ国際人権条約に批准しながら軽視するのか。法の軽視や権力の乱用。その行く末は歴史が物語っている。知らなかったら知る努力からだ。2022/12/08
雪月花
51
昨年のスリランカ人女性ウィシュマさん死亡事件以来、入管の現状を知りたくて読んだ本。いかに難民を受け入れる体制が日本にないかを知り、愕然とし、怒りを覚える。1980年代にはまだ難民認定数は数十%だったが、2018年には16,596人中42人という少なさで認定率は0.25%しかない。これは先進国では少なすぎる。本国で迫害を受けてやっとのことで日本にたどりついた外国人が、あまりにも非人道的な扱いを受け一家分離や死に至るケースが多く、こんな体制ではいけないと思わされるが、私達にできることはないのだろうか。2022/07/02
sayan
47
良書と思う。丁寧な取材を通じて、当事者の声を集め裏取りを行い指摘する問題点のインパクトは強い。本書が取り上げる在特、全件収容問題、難民問題は、昨秋国連の恣意的拘禁作業部会の指摘もあり、法改正が進む。その中身は、在特等に代わる準難民の創設、収容代替措置として監理措置など広範囲にわたる。ところで、出入国在留管理庁、出入国管理・難民認定法に見る通り、彼らのスタンスは管理であって保護ではない、この前提は踏まえておきたい。難民保護の文脈で著者は難民申請者のみ取扱うが、政府は内閣官房・外務省が実施する保護制度を持つ。2021/01/05




