内容説明
二十世紀最大の法哲学者・政治哲学者ジョン・ロールズの最晩年の主著.『正義論』で打ち出した「公正としての正義」の構想を世界規模に広げ,平和と正義に満ちた「万国民衆の社会」はいかにして実現可能かを追究.正義の戦争は正当化できるか,恵まれた社会はどこまで他国を援助できるのか.「公共的理性の観念・再考」を併載.
目次
まえがき
序説
第Ⅰ部 理想的理論(その1)
1 現実主義的ユートピアとしての万民の法
2 なぜ民衆であって国家ではないのか
3 二つの原初状態
4 万民の法の諸原理
5 民主的平和とその安定性
6 リベラルな諸国民衆の社会―その公共的理性
第Ⅱ部 理想的理論(その2)
7 リベラルではない諸国民衆への寛容
8 良識ある階層社会民衆への拡張
9 良識ある諮問階層制
10 人権
11 万民の法の手続きにかんするコメント
12 結論的考察
第Ⅲ部 非理想的理論
13 正義の戦争にかんする理論―交戦権
14 正義の戦争にかんする理論―戦争の遂行方法
15 重荷に苦しむ社会
16 各国民衆間の分配的正義について
第Ⅳ部 結論
17 公共的理性と万民の法
18 現在の社会的世界との宥和
公共的理性の観念・再考
1 公共的理性の観念
2 公共的理性の内容
3 民主制における宗教と公共的理性
4 公共的政治文化にかんする広い見方
5 基本構造の一部としての家族について
6 公共的理性にかんする疑問
7 結論
注
訳者あとがき
岩波現代文庫版訳者あとがき
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
_udoppi_
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「公共的理性の観念・再考」をメインで読んだ。公共に関わる政治問題を論じる際には、宗教的であれ非宗教的であれ、自己の包括的教義(信念)を持ち込むことができるが、当該包括的教義が支持する諸原理や政策を正当化するためには、公共的な推論によっても理由づけられなければならない。政治問題を論じる際、全人類守ってほしい。また、政治的リベラリズム(一定の規準を満たす正義に関する一群の民主的構想)は啓蒙主義的民主主義とは全く異なり、むしろ否定する。互恵性を満たさない教説は非宗教的教説に過ぎず、公共的理性の内容とは言えない。2023/01/14
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