内容説明
トトの存在が、私の日々の、あるいは私のしあわせ感の、基点になったのだと思う。(あとがきより)
集合住宅から一軒家に引っ越しをした角田さん。
外猫とのはじめての遭遇と脱走事件、虫取り事件にハゲ事件。
アクシデントは絶えないが、猫との暮らしそのものには、パンデミックのなかでも変わらない単調さがある。
ごはんを用意したりおやつをあげたり、腹に乗せたり顔マッサージをしたり。
猫との静かな日常のくり返しがずっと続いていくことを、全世界の全ての猫の幸福を願ってやまない、愛情あふれるエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
236
本日の猫本第三弾、角田 光代は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。8年前に読んだ『今日も一日きみを見てた』に続く第二弾、著者の愛猫トトに対する溺愛ぶりは相変わらずですが、当のトトは10~13歳のオバサン猫となり、太々しくなったにゃあ(=^・^=) ※表紙写真参照 https://www.kadokawa.co.jp/topics/9250/2023/02/22
モルク
122
前作「今日も…」から月日はたちマンションの10階から一軒家に引っ越した一家。いまや愛猫トトちゃんも13才、一軒家ならではの出来事を綴ったエッセイ。土のある生活、虫、外猫との交流、脱走事件など様々な出来事に右往左往する角田さんににんまりし、トトちゃんの相変わらずの可愛らしさそして一軒家に越してからのたくましさに驚く。最後にある角田さんの手書きの言葉に読んでいて涙が滲む。トトちゃんとのこの幸せな時間が続きますように。2023/04/16
みかん🍊
103
愛猫トトとの日常エッセイとトトの可愛らしい写真、猫がちょっと調子悪かったりすると検索しまくるとか、猫を飼い始めてからはどんな猫でも可愛く世界中の猫と動物がずっと幸せでありますようにと思うのはすごく共感、猫は何も考えていないようで実は何でも知っている、そして猫は未来を考えない、今だけを生きる、この幸せな平坦な猫との日々がずっと続いていきますようにと願う。2023/03/07
ぶち
97
『今日も一日きみを見てた』から8年。トトちゃんも13歳になりました。その間に、集合住宅から一軒家に引っ越した角田さん猫ばか夫婦。トトちゃんにも環境の変化が。様々な事件が起きますが、トトちゃんの暮らしそのものは変わらないように見えます。でも、年を取ったことは確実で、眠る時間が増えたり、遊びの時間が減ったり。トトちゃんはそんなことちっとも気にしていないようです。あとがきの「毎日が平坦であること、今日が昨日のコピーのような一日であることを、私はせつに願うようになった」「ずっと長生きしてね」にジーンと来ます。2023/11/22
itica
94
あー癒される。相変わらずのトト馬鹿ぶりに、にやにやが止まらない。マンションから一軒家に引越してからの数々のトトの変化も興味深かった。箱入り猫も環境が変われば逞しくなるんだね。微に入り細に入りの描写に笑ったりしんみりしたり。終いにはトトが面白いのか角田さんが可笑しいのか分からなくなるくらい前のめりになって読んでしまったよ。猫と暮らしている方には共感するところもあったろうが、猫に対する狂おしいほどの愛情がだだ洩れのエッセイだった。 2023/04/15