内容説明
18歳の春、母が義父を殺して自死した。あれから16年、ひとり取り残された僕は母の生涯を辿る旅に出た。日本に出稼ぎに行った韓国人の母を求めながら、韓国と台湾で暮らした幼少期。日本で母と義父と過ごした中高時代。そして、「あの日」までの経緯。母親に愛されたいと願った息子が心中事件の背景を綴るノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cao-rin
15
夫を殺して自殺した母。一人取り残された「僕」はこの時18歳。冒頭から衝撃的なスタート。複雑な家庭環境、自身の国籍の問題、学校でのいじめ、幼少期からの苦労に加え、母親による無理心中という悲劇。母親が起こした事件によって、彼は否が応でも母親の人生の足跡を辿る事になる。誰よりも愛し、そして憎んだ母。母の事件を舞台化し、テレビの取材も受け、今回書籍化する事で、知らなかった母の愛を知る。母の人生を受け止める事こそ、これからの彼の人生を生きる事に繋がったのではないか。彼と彼の家族が末永く幸せでありますように。2023/06/09
espoir
6
ネットの記事を偶然見かけたことがきっかけで手に取った本。記事を読んだ時には分からなかったが、著者の前田勝さんは韓国人の母と台湾人の父をもつ方で、日本に来るまでも辛い思いをされてきたと知った。幼少期に突然母がいなくなってしまったこと(日本への出稼ぎだったそう)そして学校でのいじめ、寂しさや辛さが胸に迫ってきた。そして高校3年生の時に起きた事件。お母さんは良い意味でも悪い意味でも真っ直ぐで、自分の意思を貫く方だったんだろう。大好きな息子を置いて行ってまで、成し遂げなければ気が済まなかったんだろう。2023/04/05
takao
5
ふむ2024/05/11
TT
4
母が義父を殺し、母は自殺した。 息子である前田勝さんがそのみちのりを明かしてゆく。 韓国人の母、台湾人の父、日本人の義父、幼少期から三ヶ国で暮らし、複雑な家庭環境。 経済的に困らなくてよかった。 そして、肉親の愛を理解するとき、前田さんはおおきな安心感をえたのだろう。 2025/04/16
せい
3
大人の都合で韓国、台湾、日本を転々とさせられ、ネグレクトや心理的虐待を受けながら最後にたどり着いた日本で母が義父を殺害後に自死するという壮絶な経験をしてきた著者の半生。被虐の苦しみ、外国にルーツがあることで受ける差別、犯罪被害者遺族としての苦しみと加害者遺族としての苦しみ。著者が辛かった過去のことをよく覚えていて、その時感じた気持ちも言葉にして他者に伝えられるというところにその強さを感じた。2024/07/04
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