内容説明
ここは仙台のバー。坂本には酒と一緒に飲み干したい一つの疑問があった。バーテンダーの安藤がその思いに気づき問いかけると、中学時代の女友達が一年前にかけてきた電話から始まる一件について語り出した。夫が亡くなり、コレクションのウイスキーを売りたい、と彼女は言うのだが……。(「何故、フォア・ローゼズの天使の分け前がなくなったのか?」) 話を聞いた安藤が解き明かす真相とは!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
26
★★✮☆☆この作者大嫌いなんだよなぁ、でもウイスキーがテーマだしなぁと思いながら手に取ってしまった。前作は貴重なウイスキーばかりだったが今回はスーパーにも売っていそうな安いウイスキーばかり。拗らせ過ぎた厨二病みたいな文章は健在で相変わらずイライラムカムカさせられる。一度虚心坦懐に自分の文章を読んで情景が思い浮かぶかどうか試してみればいいのに。黒塗りのテーブルよりも日に焼けた腕の方が色が濃い(p89)ってなんだよ!とか。推理も無理やりのこじつけでしかないし。客のモヤモヤを解決するという意味では正しいのか?2023/08/03
venturingbeyond
18
年を跨ぎ、本年の読了1冊目。前作同様、ミステリーとしての質よりも、バー・シェリーを訪れる謎を抱えた客に対して、主人公のバーテンダー・安藤が提供するカクテルやウィスキーの描写、安藤の客あしらいの描写を味わう連作短編。ペダンティックな描写が鼻につくとのレビューも見られるが、本邦ではウィスキーの愛好趣味そのものにスノビッシュなテイストがあることも事実であり、こうした空気も同時に味わえるのは、本作の欠点でもあり魅力でもある。もちろん、ウィスキーを嗜むなら、衒学趣味など脇に置いて、美味しくいただけばOKなのだが…。2024/01/04
みつちや
17
まさかの続編!歓迎致します。フォアローゼス、ジョニ黒、キルベガン、タリスカー のウイスキーにまつわるミステリ4編。編毎のカクテルレシピも楽しみ。ミステリは1作目2作目が好み。マスター安藤のダンディと名探偵に酔える幸せを味わいました。2023/07/25
ちゃも
14
仙台とウィスキー、何か引っかかってる謎……舞台はバー、その謎を解くお手伝いをするバーテンダー。心地よい時間を一緒に過ごしたような、爽やかさを感じます。ウィスキーはあまり飲まないけど、お酒の歴史やうんちくはほんとに楽しい(*^_^*) 仙台が舞台なので、それもまた、楽しかった♪2023/03/25
きょん
14
今回も仙台のバー『シェリー』に客が持ち込む謎をバーテンダー安藤が解き明かす連作短編。ジョニーウォーカーミニボトルが投函される謎と見知らぬ乗客と列車でタリスカーストームを酌み交わすことになるお話が面白かった。読んでいるとつくづくバーに行きたくなるなあ。2023/02/27