アジア「窓」紀行:上海からエルサレムまで

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紙書籍版価格 ¥2,420
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アジア「窓」紀行:上海からエルサレムまで

  • 著者名:田熊隆樹
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 草思社(2023/01発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794226129

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内容説明

「窓からのぞいたアジアは、たしかにひとつではないが、そんなにバラバラでもない」

窓は、室内を快適にするために外と内をへだてもし、
また景色を取り入れたりとつなぐ役割もある装置です。
人間の身体的な欲求にこたえつつも、地域の気候や文化的な特性にも対応するため、
窓はその土地の文化や風土がもっとも色濃く、密実に反映されるものともいえます。
そんな窓を、アジアの隅から隅まで見つめて旅をした、窓と文化についての記録です。

コロナ以前の自由な旅行が可能だった時代の豊かな旅情と、
窓という建築の部位の観察から得られた深い洞察が混ざり合う、
新たな視点に満ちた旅行記。

<目次より>
01 窓から生える鉄の棒 上海
02 「景区」外の家  烏鎮
03 地下の都合 張村
04 浮いた屋根 トルファン
05 天窓の部屋 タシュクルガン
06 赤いスリバチ ラルンガル・ゴンパ
07 ズボンを履いた家 カンゼ・タウ
08 洪水と床 シェムリアップ
09 張り出しの村 キナウル地方
10 かくれた穴 キッバル
11 家を〝置く“ 東ギーラーン
12 都市はバザール タブリーズ
13 砂漠で呼吸する ヤズド
14 ずれる窓 マースーレ
15 宗教と街 エスファハン
16 地球のお腹の中 ペトラ
17 アーチに向かう カイロ
18 聖地の生活 エルサレム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

63
92年生まれの著者が上海からエルサレムまでアジアの伝統的住宅を訪ねて旅した記録。著者は辺境好きで、中国とインドの奥地、ティベットと中東が多く、僻地の厳しい暮らしを反映して【窓】と言うよりは【開口部】と言うべきものが多い。窓好きの私としては、中国やインドの普通の住宅の窓をもっと知りたかった。もちろん、黄土高原で地面を掘り広げた家をはじめ、多くの珍しい家が扱われ興味深いし、旅の苦労を長々と書かず、家に叙述を絞っているのは好ましい。平面図が付いているが、トイレがないことが多く、どうなっているのか一言ほしかった。2023/01/27

Y

17
夏は中庭で寝て冬は屋内で寝るというトルファンの暮らしをはじめ、日本に住んでいる私からすると驚くものばかり。だけど当人はただ普通に生きているだけ。住人がその土地の風土に適した生活を探求し、順応した結果によるもの。「普通に生きていることは美しかった」という筆者の言葉にはっとした。見知らぬ外国人がやってきて、当たり前のように親切に出迎えてくれる人がたくさん出てきたけど、これもまた日本では見られない光景だ。イスラム建築の美しさに惹かれた。張り出しの家など、建物を見る時にこういう着眼点があるのかと思った。2023/02/09

みーまりぽん

13
窓研究所のウェブサイトで連載されたものだそうだが、思い浮かべるようないわゆる「窓」に特化した内容ではなく、建築学的小難しい内容でもなく、今和次郎の「日本の民家」的な愉しい読書であった(著者さん、大学院時代に実際それっぽい活動をしたやうです)。広義の「窓」(要するに開口部)を切り口にしつつ、現役の家々を魅せてもらい、平面図をスケッチしたり実測したり、言葉の壁もなんのその、と、上海から中国奥地、カンボジア、インド、イランへと旅をした記録。出逢う人々の親切や、彼らの家・暮らしに想うことなど、多くの写真とともに。2023/09/27

スプリント

13
一緒に旅をした気分になれる。 各地の居住地の間取りもただ掲載するだけでなく様々な書き込みがあり見ていて楽しい。2023/01/28

Akki

12
静かなナレーションが入る壮大なドキュメンタリー映画を観ているような、そんな美しい本だった。写真もスケッチもさることながら、文章が非常に良かった。言葉選びが巧みで、その場の景色が目の前に浮かび上がり、人々の息遣いがしっかり聞こえてくる気がする。建築は、土地とそこに住まう人あってこそなんだなぁ。2023/01/13

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