内容説明
国内・国外を問わず、多くの外交研究者や軍事ジャーナリストは、「台湾有事も尖閣諸島有事も、数年以内に起こり得る」と見ている。日中国交正常化(一九七二年)から五〇年、尖閣諸島はすでに戦時下といえる状況だが、もし尖閣諸島が中国から攻撃を受けた場合、日本はどう動くのか。守ることはできるのか。アメリカや中国、台湾や沖縄を取材し続けてきたジャーナリストが危機の真相を分析する。
目次
はじめに
第一章 すでに戦時下の尖閣諸島
第二章 効力なき日米安全保障条約
第三章 ウクライナ戦争と国際社会
第四章 攻める中国、守る台湾
第五章 思惑が交錯する東アジア
第六章 現実味を増す日本有事
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hatann
10
ロシア、北朝鮮、中国と核保有国と対峙する日本の有事について台湾問題に焦点をあてて素描する。尖閣を巡る日中の軍備及び漁業経済の状況、台湾有事への米国の関与及び日本の対応能力、ウクライナ危機を通じて中国が学び得たこと、台湾有事の引鉄となる独立派の動向などをポイントよくまとめる。軍備面を含めて10年前から変化している。防衛力強化は必須の状況だ。著者は台湾有事について2027年から2035年と予測するが、デービットソン司令官発言の誤訳を引用して根拠としている。シナリオ分析は必要だが、不合理な煽りは好ましくない。2023/01/02
志村真幸
2
著者は文化放送で政治や外交を担当してきた記者。 本書は中国の台湾侵攻が起きたとき、日本にどのような危険があるのかをさまざまな側面から紹介したもの。 台湾侵攻がどこまで差し迫っているのか、習近平の性格や経歴、沖縄へ余波が及ぶ可能性、そのとき米軍がどのように動くかなどが、各方面への取材にもとづく詳細なデータによって示されていく。 とくに米軍が積極的に動いてくれないのではないかとの予測が根拠をしっかりと出した上で語られており、不安にかられる。 ロシアのウクライナ侵攻が中国の政策に与える影響についても。2022/12/15
Katsumi
0
『日本有事 (インターナショナル新書)』清水 克彦 台湾有事は日本有事なのは間違いないだろうが、いつ危うい均衡が瓦解するか。注視していく必要性を感じた。2023/08/14