アゲインスト・デモクラシー 上巻

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アゲインスト・デモクラシー 上巻

  • ISBN:9784326351862

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内容説明

「デモクラシーこそがあるべき政治体制だ」「政治体制、政治的意思決定手続きは民主的でなければならない」。こうした言説に確たる根拠があるのか。本当に他の選択肢をとることはありえないのか。デモクラシーはツールに過ぎないのではないか。哲学的・経験的な研究を数多く参照しながら、より良い制度評価及び制度選択を構想する。

目次

二〇一七年のペーパーバック版への序文

序文と謝辞

第一章 ホビットとフーリガン
 政治参加で人々は高潔になるか、堕落するか?:ミルVSシュンペーター
 デモクラシーの衰退の利点
 デモクラシーにおける市民の三つの種族
 デモクラシー至上主義に抗して
 政治的諸自由は他の諸自由と同じようなものではない
 デモクラシーをいかに価値づけるか:道具主義VS手続き主義
 デモクラシーとエピストクラシー、どちらがより良いハンマーか?
 政治的不平等の恣意的な根拠VS非恣意的な根拠
 「アゲインスト・ポリティクス」は必ずしもより小さい政府を意味しない
 本書の概要

第二章 無知で、非合理で、誤った知識を有するナショナリスト
 市民が知らないこと
 大半の投票者は愚かなのではなくて、無関心なだけである
 一部の市民は他の市民よりもはるかに多くのことを知っている
 知識が政策選好を変える
 なぜみんなが無知ではないのか?
 政治的非合理性
 政治的部族主義
 政治における認知バイアスの他の事例
 なぜ政治的非合理性は合理的なのか
 少なくとも、投票者は(ある意味)善意で動いている
 ホビットとフーリガン
 結 論

第三章 政治参加は堕落をもたらす
 教育説は事実に依存する
 単なる参加は知識を向上させない
 熟議デモクラシー
 熟議の影響は私たちの心理に依存する
 熟議デモクラシーについての経験的研究
 なぜニュートラルな結果はネガティブな結果であるのか
 「単に人々が正しく熟議していないから」
 結論:アゲインスト・ポリティクス

第四章 政治はあなたにも私にも力を与えない
 リベラリズムと政治的諸権利
 同意説
 同意VS情報に基づいた同意
 自らの利害関心を促進する力
 参加と自律
 世界の中に居場所を持つこと
 支配を阻止する
 二つの道徳的能力の涵養?
 要約:本質的な無力さ

第五章 政治はポエムではない
 記号論的主張の背後にある真実
 デモクラシーが表すもの
 優位性の判断
 平等な政治的権力と自尊の社会的基盤
 不利な集団に対する侮辱
 デモクラシーと自己表現
 結 論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

15
これまで存在した政治制度の中では、デモクラシーが最も善いものだとは言えるだろう。しかし考えうるものの中でも最上だとまで言えるだろうか?本書のターゲットは選挙権である。言論の自由等は市民的諸自由としてむしろ前提されている。経験的科学によれば、我々のほとんどが政治的知識に乏しく、議論においては真理の追求よりも党派性に従うという。ポイントの一つは、政治的決定は他者への強制でもあるということにある。無知な人々の投票によって不合理な決定がなされた場合、それを他者に強要できるだけの正当な根拠が何かあるだろうか?2022/10/17

takao

4
ふむ2024/06/11

天婦羅★三杯酢

3
民主主義は、無条件に正しい、もしくはよきものだろうか?今の所はかなりいいけど、それでもこれよりいいシステムがあるなら、それに変わるべきではないのか? そういう気持ちになったことはあるし、まあ何より平等な投票の結果愚劣な人物や集団に絶大なる権力を与えてしまって国家や共同体が破滅した例はいくつもある。 とは言っても、やっぱり民主主義の原則は守った方が良いのでは無いかという気持ちにはなる、がそれは思いこみではないのか?と著者は言っているかのように見える。要再読。 2022/11/05

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