内容説明
「デモクラシーこそがあるべき政治体制だ」「政治体制、政治的意思決定手続きは民主的でなければならない」。こうした言説に確たる根拠があるのか。本当に他の選択肢をとることはありえないのか。デモクラシーはツールに過ぎないのではないか。哲学的・経験的な研究を数多く参照しながら、より良い制度評価及び制度選択を構想する。
目次
第六章 有能な政府への権利
デモクラシーと政治的無能性
三つの直観ポンプ
支配権の推定的条件
無能で不誠実な陪審に従わされない権利
有能性原理を一般化する
有能性原理を選挙民に適用する
なにをもって有能性とするのか
文脈に応じた有能性
有能性原理の適用例
第七章 デモクラシーは有能であるのか?
アプリオリな証明VS経験的な実情
集計の奇跡
コンドルセの陪審定理
ランデモアによるホン=ペイジ定理の適用
なぜ全員が投票権をもつのか
投票者は問題を解決しようとしているのか?
無知と誤った情報
見識ある選好による手法が示す系統誤差
理論的証明に代わる経験的エビデンス
政党は投票者への認識的な負担を軽減させるか?
デモクラシーがうまく機能するのはそれが機能していないから?
その他の媒介要因:すべてを考慮したとき、デモクラシーはどれだけ賢明であるのか?
第八章 知者の支配
大きくて可愛い豚コンテスト
完璧な豚
エピストクラシーの諸形態
価値のみへの投票
制限選挙と複数投票制
参政権くじ引き制
知者の拒否権を採用した普通選挙制
知者の拒否権を採用した普通選挙制は実は民主的か
疑似神託による統治
なにが有能性とみなされるのかをだれが決めるのか
人口構成に基づく反論
保守主義からのデモクラシー擁護について
第九章 公の敵同士
私たちは政治によって互いを敵とみなしてしまう
政治が私たちを真の敵にする二つの方法
状況づけられた敵
政治的選択は制限され、かつ独占的になされる
政治的意思決定は否応なしに暴力を通じて課される
万人が敵
無能な王の死に乾杯
訳者解説
訳者あとがき
文献表
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