アゲインスト・デモクラシー 下巻

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アゲインスト・デモクラシー 下巻

  • ISBN:9784326351879

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内容説明

「デモクラシーこそがあるべき政治体制だ」「政治体制、政治的意思決定手続きは民主的でなければならない」。こうした言説に確たる根拠があるのか。本当に他の選択肢をとることはありえないのか。デモクラシーはツールに過ぎないのではないか。哲学的・経験的な研究を数多く参照しながら、より良い制度評価及び制度選択を構想する。

目次

第六章 有能な政府への権利
 デモクラシーと政治的無能性
 三つの直観ポンプ
 支配権の推定的条件
 無能で不誠実な陪審に従わされない権利
 有能性原理を一般化する
 有能性原理を選挙民に適用する
 なにをもって有能性とするのか
 文脈に応じた有能性
 有能性原理の適用例

第七章 デモクラシーは有能であるのか?
 アプリオリな証明VS経験的な実情
 集計の奇跡
 コンドルセの陪審定理
 ランデモアによるホン=ペイジ定理の適用
 なぜ全員が投票権をもつのか
 投票者は問題を解決しようとしているのか?
 無知と誤った情報
 見識ある選好による手法が示す系統誤差
 理論的証明に代わる経験的エビデンス
 政党は投票者への認識的な負担を軽減させるか?
 デモクラシーがうまく機能するのはそれが機能していないから?
 その他の媒介要因:すべてを考慮したとき、デモクラシーはどれだけ賢明であるのか?

第八章 知者の支配
 大きくて可愛い豚コンテスト
 完璧な豚
 エピストクラシーの諸形態
 価値のみへの投票
 制限選挙と複数投票制
 参政権くじ引き制
 知者の拒否権を採用した普通選挙制
 知者の拒否権を採用した普通選挙制は実は民主的か
 疑似神託による統治
 なにが有能性とみなされるのかをだれが決めるのか
 人口構成に基づく反論
 保守主義からのデモクラシー擁護について

第九章 公の敵同士
 私たちは政治によって互いを敵とみなしてしまう
 政治が私たちを真の敵にする二つの方法
 状況づけられた敵
 政治的選択は制限され、かつ独占的になされる
 政治的意思決定は否応なしに暴力を通じて課される
 万人が敵
 無能な王の死に乾杯

訳者解説
訳者あとがき
文献表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

12
重大な決定が無能または不誠実な仕方でなされたとき、それは正統性を持たない。人にはそれを拒否する権利がある。しかし普通選挙において、投票者は大抵無能かつ不誠実に振る舞うのである。そこで著者はよりマシな体制として、制限選挙制や複数投票制等、エピストクラシー(知者の支配)の幾つかの形態を提案している。だがその場合、構造的に決定から排除されるような層が生じてしまうのではないかという疑念はやはりある。しかし著者は、エピストクラシーの方がむしろデモクラシーよりも不正義や不公正に対処できる可能性があると示唆している。2022/10/19

msykst

8
露悪的に書いてるフシもあったし、その実結構穏当な前提設定してりしもしてたけど、とは言えやっぱ「投票者の有能性」みたいな概念をベースに議論してるのは驚きましたね。まぁ確かに自分のことを考えても、主権者として能力を上げる機会は完全に削がれてますよね。2023/02/06

takao

4
ふむ2024/06/11

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