文春新書<br> 昭和史の人間学

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文春新書
昭和史の人間学

  • 著者名:半藤一利【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2023/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166613922

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内容説明

昭和史の語り部の珠玉の人物評
半藤さんの眼を通すと、歴史をつくった人間の顔が見えてくる。膨大な著作、発言などから選りすぐった人物論、人間観のエッセンス。

“歴史探偵”と自らを称した半藤一利は、共著も含めれば100冊近い書物を遺しました。書籍化されていない雑誌記事を含めれば、その仕事量はじつに膨大です。
半藤を比類のない存在にならしめたのは、資料探索による無尽蔵の知識と取材による見聞の双方から成る蓄積といえます。氏の仕事をさらに価値あるものにしているのは、そうした莫大な蓄積を土台にした上で、史料の裏側を読む確かな視点があったからだと思われます。史料の裏側を読むとは、人の心理を読むことでもありましょう。なぜなら、本人も言うように、「歴史とは人間学」だからです。
だからこそ、半藤の人物評、つまり月旦は面白いのです。
今回、本書を編むにあたって、半藤が人物を評している部分にスポットを当てました。
人物は昭和史を彩る人物たちに限りました。とはいえ、軍人と政治家についての言及がほとんどを占めています。
これらの軍人と政治家は日本の歴史を動かしたキーパーソンです。
したがって、本書を一読すれば歴史が大づかみでわかるようになっています。また、当時の国民の空気や熱が背中を押すものとしてあったにしても、歴史を一歩前に進めたのは、どの場面でもごく少数の人たちであったことがわかります。
良い例をあげれば、鈴木貫太郎と昭和天皇の阿吽の呼吸がなければ太平洋戦争は確実に延びていたし、日本の被害は拡大していたでしょう。逆に、悪い例として歴史の「if」を言うなら、近衛文麿、伏見宮博恭王、東条英機、永野修身、松岡洋右らがあの時あのポジションに就いていなければ、日中戦争や太平洋戦争も起きなかったのかもしれません。
それはさておき、とりわけ戦争という異常な状況において、人は正体をさらけ出します。その人間模様は、さまざまな示唆に富んでいます。それはまた現代のビジネスパーソンの戦いの場にも通じる普遍的な人間の姿ともいえるでしょう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

118
昭和期の軍人と政治家に対して、半藤さんが人物批評した文章を集めた一冊。独自の史観に基づき、半藤さんの人物評は好き嫌いも含めて白黒はっきりしている。本書でも、「卓抜な軍人たち」と「残念な軍人たち」に分類して編集されているのがユニーク。今村均大将や宮崎繁三郎中将などの人格者に対する高い評価の一方で、この戦争の責任を負うべきは東條英機大将、近衛文麿公爵、伏見宮博恭王殿下という指摘に全面的に共感する。流石、半藤さんは人を見る目があると感心していたら、巻末で「実は私、ド・ゴールが好きなんですよ」。これはショック…。2023/06/06

ベイス

80
みすず書房の読者アンケートで推薦されていたので手に取るも、半藤さんの人物評を断片的に拾い集めただけで浅薄な内容であった。亡くなられてのちに編纂されたのだろうが、これが半藤さんの遺志を反映して出版されたとはちょっと思えない。文章をいろいろなところから切り取っているからか全体の印象として内容が非常に軽く、また妙にヒロイズムのにおいもあって、半藤さんの業績を踏みにじるような印象さえ与えかねないと感じた。文春ひどくないか?そしてなぜこれが2023イチオシなんだ?2024/02/27

さきん

31
実際に取材した著者のコメントがその人なりを伝える。海軍びいきが強めなので、そこは、割り引いて読んだ方がよい。人物事典のような構成で読みやすい。2023/01/22

CTC

13
1月の文春新書新刊。半藤さんが雑誌や書籍にて下した人物評を集めたもの。このレーベルでの半藤歴史探偵モノは非常に質が悪いと判っているのだが…66人の半藤氏による月旦が聞けるとあれば愉しい企画だ(しかも軍人が主)と手に取る。しかし…実際に半藤さんが取材した人物など15人程度にフォーカスしたほうが意味のある本になったろう。冷静に確認すると本書は264頁しかないので…ひとり4頁平均、最短は130字なのだ(笑笑)。しかも人物評になってないのも多いのよね。木村昌福さんなんかキスカ無血撤退の流れを12行掲載してるだけ。2023/04/03

hiyu

5
タイトルの通りではあるのだが、ちょっと登場人物が多すぎてガイダンスのようにも感じられなくはない。吉松喜三氏等興味を惹かれた方が少なくはなかったのだが。一方でどこまでバイアスがあるかなという文面も気にならないわけではない。2024/08/03

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