内容説明
36年間、患者を診てきた医師が語る真実
多くの患者が放置され、今なお裁判が続いている水俣病。この苦難は国に取り込まれた医学者の不作為によって生まれ、それはまた医学の歪みをもたらしてきた。水俣病に関わった専門家の誤りをただし、水俣病医学の空白を埋める。
※本書は、大月書店刊『水俣病と医学の責任――隠されてきたメチル水銀中毒症の真実』の電子書籍版です。
【著者】
高岡滋
たかおか・しげる
1961年、山口県岩国市生まれ。1985年、山口大学医学部医学科卒業。1991~93年、順天堂大学脳神経内科にて神経内科研修。1993年、水俣協立病院院長。2002年、神経内科リハビリテーション協立クリニック院長。専門は、一般内科、神経内科、リハビリテーション科、精神科。日本内科学会総合内科専門医、日本神経学会神経内科専門医、日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医、日本医師会産業医、臨床心理士。ノーモア・ミナマタ国賠訴訟など各地の水俣病訴訟での原告患者側証人。
目次
はじめに
第1章 水俣病発生時の医学者たち――水俣病の発見~原因物質の究明
第2章 変節を遂げる医学者たち――水俣病終息説~「昭和52年判断条件」
第3章 患者に向き合う「医師団」の誕生
第4章 水俣病医学、誤りのスパイラル――「昭和52年判断条件」の呪縛
第5章 医師として水俣病に向き合い続けた36年
第6章 知られざる水俣病=メチル水銀中毒症の病態
第7章 今なお続く医学者たちの誤り
第8章 医系技官という存在
むすび 未来に向けて水俣病から学ぶ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アツシ
0
遠い昔の公害病と思っていた水俣病が、現在でもニュースで取り上げられている。その事の意味がこの本を読んで理解できた。環境汚染による公害病は急性期よりもむしろ慢性期の方が大きな問題だと思う。環境が汚染されるともとに戻るのに長期間かかるのが一般的だから。しかし水俣病では急性期の重症例しか問題にされず、軽、中等症例は無視され、何より長期の調査が行われていないと著者は指摘。 東北の原発事故についても短期の放射線障害だけではなく、長期の調査を実施しているのか心配。 国や学会相手によくぞここまで書いてくれました。2024/08/19
-
- 電子書籍
- 没落令嬢は社畜になった 第14話 もう…
-
- 電子書籍
- 転性男子 ~オンナがオトコにタイムリー…
-
- 電子書籍
- そもそも恋は欲だらけ 分冊版 39 ア…
-
- 電子書籍
- P.As. 2 ボニータコミックス
-
- 電子書籍
- 自転車屋さんの高橋くん 分冊版(24)…




