内容説明
社労士4年目のヒナコのもとに、家具会社のワンマン社長から、男性社員の育休申請の相談が持ち込まれた。古い価値観の社長にヒナコは困惑。そればかりか、転職サイトに「育児休業を申請したが男性は無理だと断られた」と書き込みがあったことがわかり……。労務問題×ミステリー、人気シリーズ第3弾! 解説・藤田香織
絶好調!いきなり文庫 労務×ミステリー
ユーチューバーは副業としてアリ?
男性社員の育休を認めないワンマン社長
【社会保険労務士とは?】
労働・社会保険問題から年金まで企業のお手伝いをするお仕事(国家資格)
ヒナコもついに社労士4年目、
コロナ禍での新たな問題に大奮闘!
シリーズ文庫*好評発売中!
第1弾『ひよっこ社労士のヒナコ』
第2弾『きみの正義は 社労士のヒナコ』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ででんでん
57
ヒナコからすっかり「ひよっこ」感はなくなり、頼もしくなっている。さまざまな事例も、自分の職場にもつながっていて興味深い点が多く、絵空事ではなく身近なこととして腑に落ちつつ身につまされつつ、新しい知識を得ることもできたり…。と、とてもおもしろかった。2023/08/31
ひさか
49
オール讀物2021年7月号そこは安息の地か、11月号甘い誘惑、書き下ろし:凪を望む、副業はユーチューバー、希望のカケラ、4つの連作短編を2023年1月文春文庫刊。シリーズ3作目。今回はいきなりの文庫化。社労士4年目のヒナコの活躍が興味深い。ヒナコが不正に気づいてというパターンの話が多く、かなりイヤーな展開で気が滅入る。もう少し楽しい話があるといいのにと思います。2023/03/19
よっち
39
コロナ禍で社会が大きく様変わりする中、社労士4年目のヒナコのもとにも様々な相談が持ち込まれる第三弾。今回は雇用調整助成金の申請を巡るあれこれ、正規非正規の同一労働同一賃金問題、所属手続きが曖昧なアルバイトの労災、社長親族のYouTuber副業問題、家具会社のワンマン社長から男性社員の育休申請の相談など、タイムリーな話題がいろいろ盛り込まれた展開になっていましたが、なあなあでいいじゃないかと済ませる古い体質との対峙は避けられなくて、実際にこういう相手にしっかり指導して対応してもらうのは大変なんでしょうね…。2023/02/15
venturingbeyond
32
シリーズ第3弾。やまだ社労士事務所の面々のキャラクターにもすっかり馴染み、さらりと読了。社労士という労務管理の支援・コンサルタントの専門職の立ち位置の板挟み感が、主人公ヒナコの善良なキャラクターにより増幅され、実際の中小企業における一筋縄ではいかない労働法実務のリアリティが読み取れる。文字通りの「お仕事」小説の佳作です。2024/06/22
吾亦紅
29
社労士のヒナコ、シリーズ3作目。顧客である会社の相談に乗りつつも、そこに顕在する問題のみならず、潜在化している問題にも気付く雛子。もはやひよっこ社労士ではない。会社とは、そこに働く者が健やかであり、かつ幸せであるように努力しなくてはならない、という経営者の義務があるのだという当たり前だが見落とされている大前提があり、そのために法律があり、細かく改正されていくのだ。労働環境は昔より良くなっているのだろうか、そうでないと困る。このシリーズは単なるお仕事小説ではなく、ミステリー小説の要素があるのも楽しい。2023/10/26