内容説明
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災害や悲劇のあった場所には地霊の陰があることも多い。なかでも大量死の跡地や重大事件のあった場所などに蓄積された恨みや呪いは地霊となってその土地に記憶されている。昔から人びとはこれらの場所をクセ地やタタリ地、ノロイ地などと呼んで後世に伝えようとしてきた。地霊は尊重すれば守護神にもなるが、傷つけると報復される。地霊の存在は証明されないが、地霊を尊重していれば被災を免れたのではないかと考えられる事例も多い。
本書は建築防災の専門家でもある著者が、日本のような災害列島において、とくに開発や工事にあたって地霊を傷つけることのないようにとの願いから書かれた啓蒙書である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
20
建築、安全工学、防災の観点からの地霊論。三河島事故の話は、その頃東京に住んでいた両親から聞いていた。常磐線でお寺やお墓の真ん中を高架線で侵入していくだけでも乗っていてあまりいい気がしないのに、事故を思い出すとまた引き込まれるのではないかとひやっとしてしまう。歴史の潮目、特に明治期は地霊に関することだけに限らず、さまざまな愚行が横行した時代だったように思う(例えば、女性が相撲の土俵に上がってはいけないことになったのも、古代に遡るのではなく、明治期に歴史や伝統が捻じ曲げられたことが主たる要因だったりする)。2018/08/13
masa
19
建築防災の専門家である著者が「地霊」と災害、災厄との関係を綴ったもの。地霊とは土地の歴史・蓄積された記憶であり、刑場や大量死跡地には恨みや呪いが地霊として残るという。千日デパート火災、将門の首塚、三河島列車事故などと地霊の因果関係には多少こじつけを感じるが、福島第一原発が特攻隊跡地であったことは初耳だった。百人一首に詠まれた宮城県多賀城市に現存する「末の松山」の手前で津波が止まり、正に「波越さじ」であったことは、先人達が私達に残したメッセージとして改めて感じ入った。15872015/05/31
TAKAMI
2
ゲニウス・ロキという概念は読み物としては面白いんだけど、それ以上どう考えたらいいんだろうなって思っていたが、これは建築防災の専門家が書いた本か。確かに自然災害そのものが人を死なせたりすることは少なく、建物の倒壊や川の氾濫で人が亡くなるから、その場所に何を建てるのかということについて真摯に歴史を知ることは必要だとは思う。2015/06/06
田中峰和
1
オカルト研究家の山口敏太郎と比較するのも失礼だろうが、内容は同程度。地霊は崇めれば守り神になり、傷を負わせると報復される。多くの災害、原発事故など、悲惨な事例を紹介しながら、備えの重要性を説く。福島第一原発の地はかつて、特攻隊基地であったらしい。敵機に体当たりして自爆を義務付けられ訓練を受けていた基地である。この地が原発事故に遭遇したのは英霊の祟りではなく、全面的に東電による人災であることが明白と指摘。35mの土地をわざわざ25mも削ったせいで原発事故が起こったという説。本書の災害は全て人災で納得した。2015/05/16
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