内容説明
【世界を蝕むロシアの野望】
テロ事件を逆手にとって権力を掌握したプーチンとKGB。エリツィン時代にのし上がりプーチンに逆らう新興財閥(オリガルヒ)を血祭りに上げ、大統領就任の功労者であったはずのプガチェフまでもがターゲットにされ国外に逃亡する。飽くことなき権力と富への欲望で肥大化する彼らは、収奪した富を原資にウクライナをはじめとする周辺各国、欧米に魔の手を伸ばす。ロシアに未来はあるのか。下巻では、ホドルコフスキー裁判、オリガルヒ弾圧、マネーロンダリング、ロシアマネーを駆使したウクライナ介入、EU分裂工作、トランプ籠絡に肉薄する。
目次
第8章 テロ事件から帝国の目覚めへ
第9章 「食欲は食べているうちに湧いてくる」
第III部
第10章 オブシチャク
第11章 ロンドングラード
第12章 戦いの始まり
第13章 ブラックマネー
第14章 圧制の中のソフト・パワー「わたしに言わせれば彼らは正教のタリバンだ」
第15章 ネットワークとドナルド・トランプ
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いいちゃん07
6
ロシア大統領になって順風満帆なプーチン氏。そんな中、2004年に発生した"モスクワ郊外劇場事件"。その詳細が知りたかったのでワクワクしながら読み進めました。事の顛末、あの解決法はプーチン氏も頭を抱えていた、とのこと。 本書終盤では、ウクライナ戦争が始まる前段、2013年前後からシナリオが開始されていると考察しています。クリミア紛争からの流れが、トリガーの1つだと理解しています。 本書は、とても読み難い作品です。これはロシア政府高官の為人や背景を知っていることが前提となっているからだと思います。2025/10/10
タキタカンセイ
4
下巻はKGBとロシアンマフィアたちがいかにして国家の富を盗み法や秩序をなし崩しに破壊していったか、そしてそれらを西側の体制を崩壊させるためにどのように使っていったかが描かれています。化石燃料が過去のものになりつつある今、資源を食い潰すことで成り立ってきた「マフィア国家」はどうなるのか。いちばんの問題はロシアが世界一の核爆弾保有国だということです。2023/08/26
読書の鬼-ヤンマくん
2
2022年12月16日1版1刷、図書館本。ソ連崩壊の後、P115:地政学的勢力として"ロシアの地位を取り戻す=ロシア帝国復活・再建"を目指す集団が存在し、指導者がプーチン氏。目的達成手段の数々(中東・アフリカ・西側諸国との連携と分断工作)。金のなる木=資源(石油、ガス)が、工作資金。エネルギーを欲する欧州西側の利害が交錯。社会主義体制からの脱却=自由主義経済体制移行が思想基盤。読感:緻密で重層な体制構築が伺えたが、プーチンを支える”KGBたち”の正体は判らなかった。影の、真の権力者が、居るのではないか?2023/04/28
ゼロ投資大学
2
オリガルヒを失墜させ、企業の富を独占したが、裁判によって法執行機関すら自身の支配下に置いた。国内権力を掌握した後は、アメリカを中心とするNATO支配体制への反抗心を露にする。プーチンとKGBたちがどのような理念・目標で動いているか、その一端に触れることができる。2023/02/08
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