内容説明
ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。
深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。
「本格的で、時事的かつスリリングなサスペンスであり、マイクル・コナリーの最高傑作の一つだ」
――マーク・サンダースン/タイムズ紙(英国)
「レネイ・バラードとハリー・ボッシュがタッグを組む三作目は、バラードがクライム・フィクションのなかで、もっとも興味深く、もっとも複雑な登場人物のひとりに進化したことと、コナリーがポスト・ジョージ・フロイド時代における警察活動を冷徹に見つめていることから、これまでで最高の作品になっている」
――ブックリスト星付きレビュー
「絶好調の作家によるあらたな極上のサスペンスであり、ボッシュの本とタイタス・ウェリバーが主役のボッシュを演じるTVドラマの何百万人ものファンを喜ばせるだろう」
――サンデー・エクスプレス紙(英国)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
127
執念深く事件に食らいつき、上司や同僚と対立しても単独捜査を厭わず、わずかな手掛かりから真相に迫るバラードは、いよいよ若い日のボッシュに似てきた。そんな彼女を後継者と見込んだボッシュは、今回は生徒に対するチューターの立場で惜しみなく支援する。殺人と連続レイプという二つの重大犯罪が絡み、少しずつ双方の関連が浮かび上がる展開はコナリー節が全開。しかも新型コロナとBLM運動で警察活動が停滞するなど、アメリカ社会を襲った分断と対立も抜かりなく作中に取り込んでおり、社会派ミステリとして高い完成度を示している。(続く)2023/01/19
のぶ
89
まだ上巻を読む限りだが、今回の主人公はバラードで、ボッシュは補助的存在。深夜勤務専門刑事のバラードはミッドナイト・メンと呼ばれる2人組のレイプ犯を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。すると年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その事件を担当していたのは現役時代のハリー・ボッシュだった。またもやバラードとボッシュはタッグを組んで、ふたつの事件を追う。物語はテンポよく進んでいくが、ボッシュの出番は少ない。この先どうなるのか?感想は下巻で。2023/01/14
ひで📚🏈
52
ミッドナイト・メンの暴行事件、自動車修理店の殺人事件にまつわる過去の殺人事件、ラスパルマス団、ギャングの内通者…シングルの登場も含めて盛りだくさんで下巻へ… ボッシュのワクチン接種も終わって一安心。2023/01/12
stobe1904
48
【バラード・ボッシュシリーズ】年越しの瞬間に放たれた銃弾によって男性が殺害され、レネイは現場に直行して捜査を始めるが、その薬莢は過去の未解決事件で使用されたもので、担当刑事はボッシュだった…。BLMとコロたナ禍の不穏な状況のもと、銃撃事件と連続暴行事件がどんな顛末をむかえるのか、レネイとボッシュの活躍に期待が高まりつつ、下巻へ。2023/06/27
chiseiok
48
何と去年の年跨ぎ本もコナリーだった。まぁマカヴォイ物だったんだけどさ(まぁって何だw)。今年はボッシュ&バラード物で満足満足笑。今回も例の如く「ミッドナイト・メン」と「鉛の雨」の二つの事件セッションが立ち上がっており、さらに関連コールドケース関係者としてボッシュが参戦。これも例によってこれでもかという地道な捜査がひたすら続くのがまた渋い。時系列的には前作『潔白の法則』の時期に比べても更にコロナの影響が深刻化。愛犬ローラの死もあって、バラードにとっては、まさに『ダーク・アワーズ=暗鬱な刻』。頑張れバラード。2022/12/31